発達障害のあるお子さんの不登校

不登校のお子さんの中には発達障害を抱えているお子さんが多くいるという報告があります。特に認知能力(いわゆるIQ)の遅れのない発達障害のお子さんが含まれることが少なくありません。能力があっても認知の仕方に偏りがあり、周囲の環境に合わせることが難しいことがあります。また先生やクラスメイトに理解されず、つらい思いをしていたり、不適切な対応をされ続けていたりすることもあります。
このような状況が続くと、お子さんに結果的に「二次障害」としてメンタルヘルスの問題が生じやすく、不登校の要因となります。うまくいかない経験、傷つく体験が積み重なり、自信をなくしていたり、うつや強迫性障害などの二次障害を引き起こしていたりすることもあります。

発達障害の二次障害

発達障害は発達特性のひとつで、脳に機能的な特性があり、主なものに、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)などがあります。
二次障害とは、適した支援やサポートが受けられないこと、環境が合わないことなどにより、心理的な問題や神経症状などが現れ、社会適応を困難にする行動や心の問題を呈することをいいます。

二次障害の状態像は人によって異なります。

例えばADHDのお子さんの場合

授業中に立ち歩いたり、落ち着かなかったり、衝動的な行動が多かったりするADHDのお子さんは、集団行動になじめないことが多くなります。
脳の機能的に仕方のない状態なのですが、先生の理解がなければ強く叱責されることになります。叱責され続け、もしもクラスメイトからも疎ましがられることが続けば、メンタルヘルスの問題が生じ、不登校に陥りやすくなります。

例えばASDのお子さんの場合

でも特性の理解が得られない状況で、目立たないように、何とか周囲に合わせようと無理をして頑張り続けた結果、お子さんの負担が大きくなり、うつや不安などの二次障害を呈する、ということもあります。

発達障害のあるお子さんの不登校

発達障害を抱えるお子さんの不登校は、お子さんが学校という環境に合わない、もしくは学校という環境がお子さんに合っていない結果ともいえます。
おそらく不登校になる前にも、身体の症状や、感情コントロールの問題、授業に参加できないなど、学校生活で不適応を示していたのではないでしょうか。
その延長線上でお子さん自身、もうがんばれないという状況となり、不登校になります。
不登校になると、もともとできていたことや得意なことに対しても自信をなくしたり、意欲を失ったりし、不安定になっていきます。

また、適切なかかわりがないまま不登校になっている発達障害のお子さんの中には、脳の働きや記憶の偏りから、過去の体験にこだわったり、過去の体験を思い出す際、特定の記憶を取り出すことが難しくなったりするお子さんがいます。

あすなろスタッフ:はるみ
対応としては、定型発達のお子さんの不登校のように、お子さんなりの育ちを支えて主体性が育つのを待つ、というだけでは難しく、お子さんの気持ちを理解するだけでなく、お子さんの得意なこと、苦手なこと、といった特性を適切に理解し、学校と協力して登校できるようになるための環境調整や対応の工夫が大切になります。

対応の工夫

特性の理解

本人の対応の工夫を考える時には、特性を根拠に考えます。
情報入力の特性、刺激に対する行動のパターン、物事に対する考え方の特性、読み書き計算といった学習状況に、発達障害の特性がどのような影響を与えているのか、生活場面での行動を整理してみましょう。

例えば、「落ち着きがない」という行動があった時、色々なものに影響を受けて、注意が移るという転動性がある可能性があります。
または、相手からのメッセージや情報を理解することに難しさがあり、何をどうしていいかわからないといった、コミュニケーションの特性があることも可能性として考えられます。一つ一つの特性によって、対応の工夫は違ってきます。
特性を理解した上で、お子さんに合った環境で社会のルールをていねいに教え、スキルを身につけていきます。

「みんなと同じ」を求めない

「みんなと同じ」を目指し、そうでなければいけないという考えを押し付けられ続けると、お子さんの心の状態はしんどいものになっていきます。
発達障害ではないお子さんたちが簡単にできることにとても苦労する自分に、悩んでいるお子さんは少なくありません。
失敗することを恐れていたり、刺激が多く疲れてしまったり、いじめの標的になりやすかったりして、不安や緊張の中で生活していたりすることもあります。

別の学び方を探す

脳機能の問題で読むことが苦手な場合、書くことも難しいということが多く見られます。
努力不足ではなく、一般的な脳の作りに合わせた学び方は、お子さんには合っていないということも考えられます。
学習障害があるようなら、お子さんに合った別の方法を探してみるのもひとつの方法です。

オンライン授業が導入されてから、学習の仕方に幅が広がってきました。
デジタル機器での音声読み上げ機能の活用や、タブレットで文字を書くことなど、お子さんが学びやすい方法を提案してみてください。
本来、子供は学ぶ意欲があるものです。お子さんに合った学び方を探しましょう。

おわりに

発達障害のお子さんの不登校は、環境がお子さんに合っていないというサインであるとも考えられます。
適藤に人に頼り、相談しながら生活していくことを教えていきましょう。
お子さんが低学年に内は療育という社会スキルを教える場もありますし、心理的問題なら教育相談所が各地域に設置されています。
焦らず心の傷を癒しながら、お子さんがじっくり自分の特性と向き合うことから始めましょう。

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