我が子が不登校…親の気持ち、どうすればいい?

親は我が子が健康で明るく育ってほしい、豊かな心をもって、元気にたくましく育ってほしい、と願います。
そのような親にとって「子どもが学校に行くのは当たり前」であり、子どもの不登校は受け入れがたいものがあります。
いくら不登校の理由や対応の仕方、不登校の経過や子どもの心理を学んでも、平日昼間に、家で一見、ダラダラと過ごしているわが子を見ると、否応なしに子育ての不備をつきつけられる気持ちになります。

お子さん自身、「学校に行きたくても行けない」と悩んでいるのはもちろんですが、お子さんの状況を頭では分かっていても気持ちがついていかない…と、お子さん以上に親も悩むことが少なくありません。

不登校のお子さんの親の気持ち

親も不登校の渦中にいる

お子さんと同じように親もまた不登校というお子さんの問題の渦中にいます。親として、お子さんの生活を守り、気持ちの理解に努めながら、親もまた、焦りや不安、困惑、怒り、自責の念などを抱えながらの毎日で、いつの間にか気が張ったままの生活が続いています。

世間体が気になる

お子さんが小さい頃のことを思い出し、もっと~してあげればよかった、などと自責の念が強かったり、他のお子さんと我が子を比べてしまったりすると、どうしても世間体が気になります。そうなると「我が子が学校に行けない」ということが、自分を否定されるような気持ちになってしまい、子どもの本当の気持ちを考えてあげる余裕がなくなってしまいます。
時間はかかるかもしれませんが、お子さんは不登校を経て成長します。お子さんの成長を信じられるようになり、「世間体なんて気にしない」「うちの子、今日お休みなの」と堂々と話せるようになる頃、お子さんも変わってくることでしょう。

焦り・怒り

「義務教育さえ行けないなんて社会に出たらどうなるのか…」お子さんのことを思うあまり、先々のことを考えると焦りが募ります。また、「私はこんなに心配しているのに」と焦る気持ちが怒りにつながることもあります。お子さんのことを考えると、焦る気持ちは当然ですが、焦りも怒りも保留にして親が笑顔でいてくれると、お子さんは安心していられます。

焦る気持ち、どうすればいい?

一人でがんばらないこと 

母親が一人でがんばり過ぎると「どうして私ばっかり…」という気持ちが強くなります。心にひずみができ、怒りが生まれると、ついそれをお子さんにぶつけてしまうこともあるでしょう。ですがそれは、登校できないことで苦しんでいるお子さんを、さらに傷つけることになります。

焦る気持ちはお子さんにも影響します。父親を巻き込むことができればいいですが、難しければ一人でも相談機関を利用しましょう。

親が元気になればお子さんも元気になる

お子さんが親以外の人、できれば心理の専門家、カウンセラーと話ができ、安定した心を取り戻せればいいのですが、必ずしもお子さんがすぐに相談機関を利用するとは限りません。その場合、親だけでも相談機関を利用しましょう。家族の中での振る舞いが変わり、家族のかかわりに変化が生まれるということがあります。結果的にお子さんが相談につながったり、お子さんの状況が落ち着いたりすることもあります。

登校するためにはどうしたらいいか、という相談の中で、お子さんの今の状況を報告したり、これまでのお子さんの育ちを振り返ったり、親の思いを話したりすることになります。そのような経過の中で、不登校という課題の本質について向き合うことになります。

親が自分自身が受け入れられないと子どものことはなかなか受け入れられないかもしれません。一人で悩んでいるより、分かってくれる人がいることで、親自身のエネルギーが湧き、またがんばろうという気持ちになれるものです。

父親の出番

不登校の対応は父親の出番です。物分かりよく「時期がくれば登校する」「うるさく言わずに放っておけ」などと言うのは簡単ですが、日々の子育てを母親任せにしていては、説得力がありません。

暴言、暴力などがある場合は尚さら、父親の出番です。暴力、暴言には毅然と制止しつつ、背景の気持ちはじっくり聴く、とった父親の姿勢はお子さんの心を動かします。何より、母親の負担を減らし、家庭に穏やかな空気が流れます。対応の方針などは両親でよく話し合いながら、お子さんを信じて道を開いていきましょう。

学校との連携を密にする

お子さんが不登校になると、学校に問題があるのでは、いじめがあったのでは…と不安になります。お子さんに尋ねると、何となく学校の~が嫌だ、〇〇君にいじわるをされた、といった話が出てくることもあります。

担任の先生、養護教諭、スクールカウンセラー…話せる先生を見つけて、定期的に連絡を取り合いましょう。

学校とのやりとりをお子さんがあまり歓迎しないかもしれませんが、そのような時に細かい報告をする必要はありません。親が学校とつながっていれば、お子さんが動き出すタイミングがきた時に動きやすくなりますし、何より、学校の状況が分かっている方が安心です。

おわりに

不登校は親に様々なことを突きつけます。世間体も気になりますし、日々の生活の中では不本意な我が子の姿にイライラすることもあります。

でもお子さんを理解し、認め、信じるためには、親も等身大の自分自身を認めることが必要です。見栄を張らない、逃げずに向き合う…なかなか難しいことですが、不登校の解決の先の子育てのゴールはお子さんの自立です。自主性や主体性を育てるということを目標に、上手にサポート機関を利用していきましょう。不登校という状況の中で、お子さんも親も一回り成長しているはずです。

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