不登校から高校進学に向けての準備

不登校になってしまう要因はいくつかあり、主に下記があげられます。

  • 学習遅れ
  • 教師やクラスメイトとの人間関係
  • いじめ
  • 発達障害

特にここ最近多いのは発達障害におけるものです。発達障害をお持ちのお子様はそれぞれ特性があり、識字障害などの学習障害や人間関係の構築が苦手なアスペルガー、注意欠陥多動性障害(ADHD)などがあります。
それらはお子様を形成するひとつの個性でもありますが、注意が必要なのはそれは個性であるために改善することはないということです。
そのため、いくら学習指導や生活指導を行ったところで個性とマッチする方法でなければ課題をクリアすることはできません。
この課題というのは学校生活における障害のことを指します。
お子様がどういった壁にぶつかり、何が原因で不登校になっているのか、この点をご家族様の中で確認していくことが重要です。

冒頭にあげた主な原因のうち、どれに当てはまるのか、それにより不登校脱却に向けた支援を行っていく必要があります。
この部分を押さえていくことで、高校進学に向けての準備が始まります。
今回は発達障害の傾向があるお子様に対してお伝えしていきます。

高校受験の状況を把握する

高校は大きく分けて二つあります。
それは単位制学年制となります。

単位制

1学年で取得しなければならない単位の数が決まっていません。3年間で決められた単位を取得すれば卒業することができます。1学年で取得しなければならない単位の数が決まっていないので、基本的に単位が取得できなくても留年はありません。

学年制

1学年で取得しなければならない単位の数が決まっています。もし決められた数の単位を修得しなければ留年して、その学年で取得すべき数の単位を取得しなければ次の学年に進級できません。


高校と聞くと一般的に全日制高校を思い浮かべる方も多いことでしょう。
対して単位制を導入している多くの高校は通信制高校や定時制高校になります。
前提として高校へ進学するにあたり受験が必要です。
全日制高校への受験は公立・私立ともに学科試験が課されます。
そして重要になってくるのは 内申点です。
合格にあたり、内申点と当日の学科試験から合否が決まります。
各都道府県によって異なりますが、中学3年間の成績を用いる場合もあれば中学3年生のみの成績を用いるケースもあります。

また一部の私立高校に限っては、内申点は加味せず当日の学科試験で合否判定される学校もあります。
内申点においては、出席日数と学期ごとのテストが重要になってきます。
ここで多くの不登校のお子様が壁にぶつかってしまいます。学校に通えていないため、出席日数が自ずと少なくなってしまうため、結果的に内申点が下がってしまうのです。
そうなってくると必然的に受験先が限られてしまいます。
そのため、まずはお住いの高校受験の状況を把握することが重要になります。

あすなろスタッフ:はるみ
もし不登校脱却に向けてじっくり時間をかける必要がある場合は、全日制ではなく単位制を選択することも一つの方法です。 単位制においても公立・私立ともに受験情報は収集しておくべきでしょう。

進路実現

そして、最も重要なのは高校受験ではなく高校卒業、そしてその先の進路実現です。
学年制・単位制、いずれにしても受験に向けての学力、 高校に入ってからも授業についていける学力の創出が必要となってきます。
この学力の創出にあたり、お子様が目標をまず持つことが重要となってきます。

不登校経験を持つお子様の多くに共通する点が、自信を無くしているということです。
どのお子様も直感的に周囲と自分が違うことを認識しています。そのため、どうしても他者と比較しお子様自身が自分自身を卑下しているケースが非常に多いです。
それによって視野も狭くなり、無気力な状態に陥りゲームやネット動画などに走るケースが多いのも実情です。

だからこそ、前述のようにお子様の発達障害はどういったものであるのか、この点について把握をし個別に支援をしていく必要があります。
そのためにお子様の発達特性を知るためにも児童精神科などで受診をすることををおすすめします。場合によっては知能検査も行う場合もあります。
これによってお子様はどういった個性を持っているのかを知ることができます。これを知ることで今までなぜこれができないのか、と疑問に思っていた部分がおそらく納得に変わるはずです。特性である以上、苦手を克服することはできないため、得意な部分を伸ばしていくことになります。

あすなろスタッフ:はるみ
無理に苦手を克服すると、お子様はどんどんとやる気をなくしてしまいます。 この個性を知ることで、お子様への接し方を改めることができ、そして不登校脱却に向けた支援につながっていきます。 これは学力についても同様です。

おわりに

得意なことを伸ばし、認めてあげることが重要なのです。特に学習は褒めるポイントが多く、お子様にとっても重要なポイントになります。
学習で躓いていた部分を、個性に合わせた学習支援をすることで”できた”ことをお子様に認識してもらうことで、自己肯定感も確実に高まっていきます。
また小学校・中学校は集団授業で画一的な学習が行われている状況なので、一人の先生が個々人を細かく把握することは物理上難しいです。

だからこそ、発達障害のお子様はよりほかのお子様と比べ埋没してしまい、先生から見た際に「勉強ができない子」という安直な結論に至ることも多いです。
発達障害を持つお子様にとって「他の子はできるのに、自分はできない」と思い込んでしまい、より不登校へとつながってしまいます。
こういった特性を持つお子様に、個別に学習支援を行っていくことが重要になってきます。

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