「速読」や「速聴」という言葉を聞いたことがありますか? 実はこれらのスキルが、お子さんの学習能力や集中力に、とても良い影響を与えることをご存知でしょうか。常に新しい情報が飛び交う現代、「読む力」と「聴く力」の重要性は非常に高まっています。
「速読」や「速聴」は、単に「速く読む」「速く聴く」技術というだけでなく、お子さんの情報処理能力、集中力、記憶力といった、学習の土台となる力を総合的に育むメソッドです。今回は「速読・速聴」がお子さんにどのような影響を与え、どのように鍛えると良いのかについて詳しく解説します。
=もくじ=
「速読」と「速聴」って?
聞いたことある方も多いと思いますが、具体的にどのような力なのかイメージしにくいのではないでしょうか。まずは、この2つの力について説明します。
「速読」は素早く読み、内容を理解すること
速読とは、素早く文章を読み、素早く内容を理解する力のことです。
本を読むとき、通常は一文字ずつ目で追って文章を読み進めますが、速読では一文字ずつではなく、複数の単語やフレーズを一つの塊として捉え、一度に多くの情報を取り入れる訓練をします。
この訓練により、文章の読むスピードや要点を素早く見つける力、長時間読み続けても疲れにくい集中力が身につくとされています。
「速聴」は素早く聴き取り、内容を理解する力
速聴も速読と同様、素早く音声を聴き取り、素早く内容を理解する力のことです。
速聴では、物語の朗読や学習用の音声教材などを、少し速いスピード(1.5倍速や2倍速など)で聴く訓練をします。これを続けることで、耳が速いスピードの音声に慣れて、聴き取る力が大きく上昇します。
その結果、聴くことへの集中力が高まったり、内容を覚えやすくなったりする効果も期待できるのです。
「速読」と「速聴」がお子さんに与える影響
速読・速聴の力を身につけることは、お子さんの脳と学習能力に様々な良い影響を与えます。主な効果を下の表にまとめてみました。
教科・場面 | 速読・速聴で得られるメリット(効果) |
国語 | 長文読解問題への余裕を持った取り組み 設問をじっくり考える時間の確保 小説や説明文など、多様なジャンルの文章を効率的に読解 読書量の自然な増加、語彙力・表現力の向上 |
数学・算数 | 問題文の正確かつ迅速な読み取り 問題の意図を早期に理解し、立式や計算へ時間を十分に活用 図形問題や複雑な条件設定の問題での情報整理の容易化 |
理科・社会 | 教科書や参考書の膨大な情報を効率的にインプット 資料集や年表などのスムーズな読み取り、知識定着の促進 実験の手順や歴史の大きな流れの迅速な把握 |
英語 | 限られた試験時間内での全問確認と、見直し時間の確保 ケアレスミスの防止、得点アップへの大きなアドバンテージ 入試の長文問題など、時間との戦いになる場面で特に威力を発揮 |
テスト・受験 | 限られた試験時間内での全問確認と、見直し時間の確保 ケアレスミスの防止、得点アップへの大きなアドバンテージ 入試の長文問題など、時間との戦いになる場面で特に威力を発揮 |
日常生活 | 読書の楽しみが一層深まり、知的好奇心を満たす機会の増加 新聞やインターネットでの情報収集における、必要情報発見の効率が格段に向上 会話の理解力向上、コミュニケーション能力向上への寄与も期待 |
このように、速読・速聴のスキルは、特定の教科に限定されず、幅広い学習場面で役に立つほか、お子さんの知的な活動全般を豊かにしてくれる可能性を秘めているのです。
では、この速読と速聴を身につけるためにはどうすればよいのでしょうか。次は速読と速聴のトレーニング方法についてみていきましょう。
速読・速聴の鍛え方
速読編
〇視野拡大訓練
一度に読み取る文字の範囲を広げる訓練です。短い単語から始め、徐々に長いフレーズや文節をひと目で捉える練習をします。
〇眼球運動訓練
視線をスムーズに、かつリズミカルに動かす訓練です。文章の行頭から行末へ、そして次の行頭へと素早く視線を移動させる練習を繰り返します。専用の教材やアプリも活用できます。
〇チャンキング
文章を意味のまとまり(チャンク)で区切って読む練習です。単語一つひとつを追うのではなく、フレーズ単位で理解することで、読むスピードと理解度を同時に高めます。
速聴編
〇倍速再生
普段聞いている音声教材やオーディオブックなどを、1.2倍、1.5倍、2倍と徐々に再生速度を上げて聴く練習です。最初は聞き取りにくいかもしれませんが、慣れてくると自然なスピードの音声がゆっくりと感じられるようになります。
〇シャドーイング
聞こえてくる音声のすぐ後を追って、影のように真似して発音する訓練です。集中して聴き取る力と、聞いた内容を保持する力が鍛えられます。英語学習にも非常に効果的です。
内容理解を伴うトレーニング
〇キーワードリーディング
文章中から重要なキーワードやキーセンテンスを見つけ出し、それらを中心に内容を把握する練習です。
〇要約練習
読んだり聞いたりした内容を、短い文章でまとめる練習です。理解度を確認するとともに、表現力も養われます。
まとめ
いかがでしょうか。今回は、お子さんの学習能力を大きく伸ばし、未来の可能性を広げる「速読・速聴」について詳しく解説しました。
「速読・速聴」は、単にテストの点数を上げるためのテクニックではありません。それは、知的好奇心を満たし、学ぶことの本当の楽しさを深め、さらには将来社会に出たときにも必ず役立つ、まさに一生ものの財産と言えるでしょう。ご紹介したトレーニングは、日々の読書や学習の中で少し意識するだけでも取り入れられるものがあります。ぜひ、お子さんのペースに合わせて、楽しみながらこれらの力を育むきっかけを作ってみてください。
家庭教師のあすなろでも、子さま一人ひとりが持つ可能性を最大限に引き出し、「わかった!」「できた!」という学ぶ喜びを実感できるよう、学習面でのサポートを全力で行っております。お子さんのやる気アップや勉強のやり方を伝える無料体験授業も行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!