「一生懸命勉強したのに、なかなか思うように成績が伸びない」「気を付けていたはずなのに、いつも同じような凡ミスで点数が下がってしまう」そんな悔しい思いをしたことがあるお子さんも多いのではないのでしょうか。
その原因は、単に勉強時間の長さ、やる気の問題ではなく、「メタ認知」という力がカギを握っているのかもしれません。
今回は、近年教育現場でも注目されている「メタ認知」とはどんな力なのか、そして今日からできる鍛え方について紹介していきます!
=もくじ=
メタ認知とは、自分を客観視する力のこと
見出しにもある通り、メタ認知とは自分を客観視する力のことです。もう少し詳しく説明すると、自分を第三者目線から見て、自分自身を理解したり評価したりする能力を指します。
例えば、自分が勉強している姿を上からもう一人の自分が見ている状況をイメージしてみてください。一生懸命勉強している「自分」と、その様子を少し離れたところから冷静に眺めている「もう一人の自分」。この「もう一人の自分」こそが、メタ認知の正体なのです。
メタ認知が持つ2つの要素
メタ認知的知識
メタ認知的知識というと少し難しい言葉のように聞こえますが、要は「自分の取扱説明書」のようなものです。
自分の得意・不得意、思考パターン、行動パターンなど自分に関する情報を把握しておくことで、自分に合った学習計画を立て、効率よく目標を達成するための土台作りに繋がります。
メタ認知的技能
メタ認知的技能とは、その「取扱説明書」を上手に使いこなす技術のことです。 説明書をただ持っているだけでなく、そこに書かれた自分の特性を理解した上で、今の自分の状態をチェックし(モニタリング)、より良くなるように行動を修正していく(コントロール)。この一連のテクニックが、メタ認知的技能なのです。
例えば、自分は「じっくり考えるのが苦手」という特徴を持っている場合、「勉強を始めてから15分経ったけど飽きてしまった。集中力に限界があるのかな」という様に、自分自身の現状を把握する。そして、「タイマーを使って20分間集中できるように頑張ってみよう」のように、行動パターンを変えてみる。
このように、メタ認知的知識で集めた情報を基に現状の把握と行動パターンを変えていくことで、様々な解決方法を生み出すことができるようになります。
今日からできる!メタ認知を鍛える習慣
①学習計画を立てる
「学習計画」を立てること、これはメタ認知的知識を育てる上で重要な行動です。
何をどのくらい、何のために、どのようなレベルになるまでやるのかを決めましょう。例えば、「30分で英単語10個を、来週の小テストのために、日本語訳がスラスラ言えるようになるまで頑張ろう」のように、具体的な計画を立ててから、勉強を始めてみてください。
そして、終わった後は計画通りに進められたか、もし計画通りに進まなかった場合はなぜ駄目だったのか、これらを振り返りましょう。
この「目標を決める」→「勉強する」→「計画のフィードバック」を繰り返すことで、自分に合う学習方法が見つけやすくなります。
②セルフモニタリング&コントロール
セルフモニタリングとコントロールは、自分の現状や気持ちや行動を自分自身で把握して、苦手や課題を見つけることができます。ここでは、なかなか勉強に集中できないお子さんを例にして、セルフモニタリング&コントロールのやり方を説明します。
セルフモニタリングでは、自分の無意識の行動に気付くことが大切です。勉強中に「お腹がすいたなぁ…」と考えている自分に気付く、問題を解いているときにシャーペンをカチカチいじっている自分に気付く。このように、勉強中の無意識の行動に気付くこと、これがファーストステップです。
コントロールでは、セルフモニタリングで気付いた後、行動を少し変えてみましょう。「お腹がすいたなぁ…」と考えたのなら、「あと1問解いたらおにぎりを食べよう」と決める。シャーペンをカチカチいじっていたのであれば、一度シャーペンを置いてストレッチをする。「気付き」から「次の行動を選択する」、これが次のステップです。
このように、「気づく→行動する」を繰り返すことで、自然とメタ認知が鍛えられます。
まとめ
いかがでしょうか?今回はメタ認知とは何か、具体的な鍛え方を紹介しました。
メタ認知は一見難しい言葉ですが、簡単に言えば自分自身を理解し、より良い行動を選択するための技術です。この力を今のうちに身につけておくと、大人になった時にきっと役立つでしょう。
家庭教師のあすなろでは、勉強のやり方や学習計画の立て方など、お子さんが前向きな気持ちで勉強に取り組めるような指導を行っています。無料の体験授業も行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!