学習障害(LD)について
学習障害とは、知的発達に比べて、「聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する」などの特定の能力を学んだり、行ったりすることに困難がある状態をいいます。
実際、全ての能力に必ず困難があるというわけではなく、一部の能力だけに困難がある場合が多いと言われています。例えば、国語の文章を読むことが苦手、漢字を書くことだけが苦手、算数・数学だけが苦手といったように特定の能力だけに極端に偏りが見られます。
また、学習障害の特徴として「知的発達に大きな遅れがない」ことが挙げられます。つまり、困難がある特定の能力以外は問題なくできるので、できないことをお子さん本人の努力不足のせいにされたり、親御さんが「子供に勉強をさせていない」などの偏見が生まれたりします。
しかし、学習障害のお子さんは、周りのお子さんと同じやり方では、どんなに努力をしてもできない場合があり、自信を無くしてしまうことも少なくありません。
「うちの子、学習障害かも?」と思ったら
学習障害に限らず、発達障害は早期発見、早期支援を行うことが大切であると言われています。
実際、2016年に改正された発達障害者支援法は発達障害児(者)の早期発見と切れ目のない支援を目的としています。その中で、国や地方公共団体は、乳幼児検査で発達障害の早期発見に努めることや、発達障害の診断や発達支援を行うことができる病院や診療所の確保に努めることが義務けられています。
お子さんの様子を見ていて、「もしかして学習障害かも?」と思われたら、一度学校の先生や専門機関に相談することをお勧めします。
学習障害チェックリスト
学習障害のお子さんに一般的に見られる行動の一例を下記に載せました。
- 文の意味を理解しながら読むことができない
- 単語あるいは文節の途中で区切って読む
- 文末などを適当に変えて読んでしまう
- 本を読んでいるとすぐに疲れる
→読字障害(ディスレクシア)の可能性あり
- 書いた文字がマスや行から大きくはみ出してしまう
- 年相応の書くことができない
- 鏡文字(反転文字)になる
- 文字を書く時に余分な線や点を書いてしまう
→書字障害(ディスグラフィア)の可能性あり
- 簡単な数字や記号を理解しにくい
- 数字の大きい小さいが分からない
- 繰り上がり、繰り下がりが理解できない
- 文章問題が苦手
→算数障害(ディスカリキュア)の可能性あり
(※あくまで一例ですので、診断は専門機関に相談することをお勧めします。)
読字障害のお子さんへの指導方法
教科書を読む場合、文節の区切りが分かるように印を付けておいたり、どの行を読んでいるのか分かりやすいように、隙間の空いたシートを使ったりしています。
文字の読み間違いをしている場合は、二つの文字のどこが違うのか、見分けるポイントを伝えたり、間違ったらその都度一緒に確認しながら指導しています。
中には何回か音読してあげると耳で聞いたことを覚えて読めるようになるお子さんもいるので、お子さんに合わせて対応しています。
書字障害のお子さんへの指導方法
文字や数字を読めるのに書けない理由は様々あります。あすなろではなぜ書けないのかを考え、練習の量を増やすのではなく、どんなふうにして文字を覚えたり、書いたりしていくかやり方を工夫して指導しています。
新しく覚える漢字の練習は大きめの見本を用意し、まずはなぞり書きをするなど、字の形を理解しやすいようにしています。
似た文字を書き間違えてしまう場合は、違う部分に色を受けて目立つようにして覚える方法もあります。
ノートは1マスが四分割されているタイプだと書きやすいこともあります。
算数障害のお子さんへの指導方法
頭で理解するよりも目で見て繰り返し暗記するほうが得意なお子さんが多いので、計算式をカードにして繰り返しやっていく指導方法があります。
また、文章問題を絵や図に変えて視覚的に問題を理解しやすくすることも効果的です。
九九についても表にしたものを貼っておくと、九九としてではなく文字列として覚えられるお子さんもいます。
発達障害のお子さんの教え方についてよくあるご質問
発達障害のお子さんの教え方でよくお問い合わせいただくご質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。 その他、疑問や質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。