発達障害とあすなろの取り組み
近年、発達障害のお子さんを持つご家庭からのお問い合わせが非常に多くなりました。
文部科学省の調査結果によると、公立の小学校及び中学校の通常学級に在籍する児童のおよそ6.5%が発達障害の可能性があると推定されています。
つまりおよそ15人に1人の割合(クラスで約2~3人)で発達障害の特別な教育的支援が必要とされています。
また、特別な配慮が必要なのか、それとも個性的なだけなのかが見極めづらい「発達障害グレーゾーン」お子さんも非常に多いと言われています。
このことから、発達障害だからといって何も特別なものではありません。
私たち家庭教師のあすなろは、約20年前に家庭教師事業を始めて以降、多くの特性あるお子さんの指導を任せてもらってきました。
その経験を生かし、お子さん一人ひとり合った勉強方法を提案できるように、発達障害を専門とする資格を取得したスタッフが中心となり、日々指導方法を研究しています。

発達障害とは
多くの人は、発達障害と聞くと「病気なんじゃないか」、「ずっと治らないんじゃないか」、「しっかり育てていけるか」と思われがちですが、そうではありません。
発達障害は生まれつきの特性であり、そのお子さんの「個性」です。
例えば、スポーツが苦手なお子さんもいるように、勉強が苦手なお子さんもいます。話すのが苦手なお子さんもいれば、字を書くのが苦手なお子さんもいます。
大事なのが、発達障害はその特性を本人や周囲の人が正しく理解し、その人にあった方法で家庭や学校での過ごし方を工夫することが出来れば、その人が持っている本当の力を発揮できるようになります。
発達障害グレーゾーン
また、「発達障害グレーゾーン」という言葉も最近よく耳にします。
発達障害グレーゾーンとは、発達障害の傾向はあるものの、発達障害の診断基準を全て満たしてはいない状態を表す俗称です。
ただし、グレーゾーンだから症状が軽いというわけではありません。また、発達障害の診断がつかないために、利用できる支援が少ないといった弊害もあり、グレーゾーンのお子さん特有の問題もあります。
実際、グレーゾーンのお子さんの中には、診断名がつかないばかりに、「怠けているの?」「行動がよく分からない」「わざとしているの?」といったように問題児扱いされやすくなります。
そのように特性を理解してもらえず、頑張っているのにできない状況が続くと、自己肯定感が低くなり、周囲との共感性も育ちにくくなります。その結果、不登校や引きこもり、問題行動に出てしまうなど二次障害に結びつくことになります。
このことから、「発達障害だから…」、「発達障害じゃないから…」といったように分けて考えるのではなく、いかにお子さん本人を見て、観察して、適切な対応をしてあげられるのかが重要になります。

主な発達障害の種類
発達障害には大きく分けて4つに分類されます。また、一つの特性だけが表れるわけではなく、二つの特性を併せ持っている場合も多く見られます。
よって、それぞれの特性に合わせて指導方法を変えていく必要があります。
学習障害(LD)
学習障害とは、知的発達に比べて、「聞く、話す、読む、確、計算する、推論する」などの特定の能力を学んだり、行ったりすることに困難がある状態をいいます。
学習障害はLDとも呼ばれ、Learning DisabilitiesやLearning Disorderと訳されることが多く、最近では学び方の違いからLearning Differencesと呼ぶ人も出てきています。
近年よく聞くディスレクシア(読字障害)、ディスグラフィア(書字障害)、ディスカリキュア(算数障害)も学習障害の一種です。
注意欠陥多動性障害(AD/HD)
注意欠陥多動性障害は、「集中できない(不注意)」、「じっとしていられない(多動・多弁)」、「考えるよりも先に動く(衝動的な行動)」を特徴とする発達障害です。
子供で20人に1人程度みられると言われています。
多動や不注意といった様子が目立つのは小学生・中学生頃ですが、思春期以降はこういった症状が目立たなくなるとも言われています。
一方で、ADHD傾向にある人の中には、興味があるなどの特定の時にものすごい集中力を発揮したり、多動性が積極的だと評価されたり、衝動性が優れた決断力として認められたりすることもあります。
自閉症
自閉症は、「言葉の発達の遅れ」、「コミュニケーション障害」、「対人関係・社会性の障害」、「パターン化した行動、興味・関心のかたより」などの特徴を持つ障害です。
3歳までには何らかの症状がみられることが多いと言われています。
知的な遅れを伴うことが多くありますが、知的な遅れがない高機能自閉症(近年はアスペルガー症候群と高機能自閉症を区別しないことも多いです)の人もいます。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群は、広い意味での「自閉症」に含まれる一つのタイプで、「コミュニケーション障害」、「対人関係・社会性の障害」、「パターン化した行動、興味・関心のかたより」などの特徴があります。
自閉症と違って幼児期に言語発達の遅れがなく比較的分かりにくいですが、成長とともに対人関係の不器用さがはっきりするのが特徴です。
発達障害のお子さんの教え方についてよくあるご質問
発達障害のお子さんの教え方でよくお問い合わせいただくご質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。 その他、疑問や質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。