発達障害の二次的な問題(二次障害)はご存じですか?
発達障害の二次的な問題(二次障害)とは、発達障害を持つお子さんに対して適切な療育・学習支援が行われずに起きる障害のことです。
発達障害と言っても特性は様々です。こだわりが強い、空気を読んで周囲に合わせることが難しい、学習が困難などの特性により、本人に過剰なストレスがかかることやトラウマが引き金となって、不登校や引きこもり、問題行動、対人関係の困難さといった二次的な問題が発生します。そのまま問題を放置してしまうと、うつ病やパーソナリティ障害等の精神疾患など(二次障害)に繋がってしまう場合があります。
ここで大事なのは、療育などの丁寧な教育的支援によってこれらの問題を軽減することが可能です。
二次障害は何が原因で起こるのか
二次障害は、家庭や学校などの環境との行き違いが要因となって生じることが多いと考えられています。
発達障害のお子さんは、知的発達に遅れがないために、抱えている困難さを周りから理解してもら得ないことが珍しくありません。友達から仲間外れにされたり、家族や学校の先生に怒られたりなどといった失敗経験を繰り返していることが多く見られます。また、学校の勉強についていけなくなることもあり、失敗や挫折、ストレスを味わう可能性が高くなります。
次第に自分は「一生懸命やっているのにうまくできない」「わたしは駄目な子なんだ」とい自信を失ってしまい、否定的な自己イメージを持ったり、自尊心が低下したりしていきます。
それが原因で、反抗的な行動、情緒の不安定、身体症状(頭痛、腹痛、チック等)などを招くことがあります。その結果、不登校や引きこもり、暴力・暴言などに発展する可能性があります。また、ADHDを持つお子さんにうつ状態が認められやすいという報告もあります。
発達障害の二次障害の種類
二次障害の種類としては「外在化障害」と「内在化障害」に大きく2つに分類されます。
「外在化障害」とは、極端な反抗や家出など非社会的な反抗をしたり、非行など反社会的行為をしたりして、行動上の問題として他者に向けて表現される症状のことを言います。
また、「内在化障害」とは、不安、気分の落ち込み、強迫症状、対人恐怖が生じるなど、情緒的問題として自分に向けて表現される症状のことを言います。
二次障害の可能性があると思ったら
発達障害の二次障害について、本人や家族が誰にも言えずに悩んでいることも少なくないかもしれません。その時に、誰にどこに相談すればいいかをいくつか紹介します。
まずは、各学校に配置されている特別支援コーディネーターの先生や、スクールカウンセラーの先生などにお子さんの様子を相談することができます。また、子育て支援センター、発達障害者支援センター、児童相談所、精神保健福祉センターなどの専門機関で相談することもできます。
そして、学校の先生や各機関からは必要があれば、小児発達外来などの医療機関を紹介されることもあります。そこで、診察を受けたり、心理検査を受けたりすることができ、症状が判明すればお子さんに応じた支援の仕方なども一緒に教えてもらえます。
その後、学校の専門の先生に医療機関の診察結果を伝えることで、 学校側にお子さんの発達障害に応じた「特別支援計画」を立ててもらいましょう。もし、お子さんが日常生活に不便を感じているとすれば、それを解消できるよう、支援の在り方を提案してもらえます。
その計画に従い、担任の先生や、特別支援の先生、スクールカウンセラーの先生などが協力して、お子さんのサポートを行っていきます。
二次障害は、お子さんに合った支援をすることで様々な問題を軽減することが可能です。
発達障害のお子さんの教え方についてよくあるご質問
発達障害のお子さんの教え方でよくお問い合わせいただくご質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。 その他、疑問や質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。