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早期発見・早期支援の重要性
近年、発達障害の早期発見・早期支援がとても大切だと言われています。実際、平成十六年施行の「発達障害者支援法」でも下記のように早期発見・早期支援の重要性が書かれています。
『この法律は、発達障害者の心理機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進のために発達障害の症状の発現後できるだけ早期に発達支援を行うことが特に重要であることにかんがみ、発達障害を早期に発見し、発達支援を行うことに関する国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、学校教育における発達障害者への支援、発達障害者の就労の支援、発達障害者支援センターの指定等について定めることにより、発達障害者の自立及び社会参加に資するようその生活全般にわたる支援を図り、もってその福祉の増進に寄与することを目的とする。』
(発達障害者支援法第一章 総則 第一条)
早期発見・早期支援ができなければどうなるの?
いわゆる、「二次障害」が起きる可能性があります。
二次障害とは、発達障害の特性により本人に過剰なストレスがかかることやトラウマが引き金となって、不登校や引きこもり、問題行動、対人関係の困難さといった二次的な問題が発生し、そのまま問題を放置してしまうと、うつ病やパーソナリティ障害等の精神疾患などに繋がってしまうことを言います。
これを聞くと、二次障害を予防するために早期発見・早期支援が大事なのは分かります。しかし、発達障害があり「特別な配慮が必要な子ども」であっても、周囲に気づかれにくい場合は多いにあります。
大きな原因としては、周囲の大人が「少し様子が違うな」と気づいたとしても、特別な違和感や特別な支援の必要性を感じないという点が挙げられます。
特別な配慮が必要であることに気づくために
まず第一に、周囲の大人が感じる違和感をそのままにしないことが大切です。そのためには、発達障害に関する情報を取り入れ、「気づく目」を養う必要があります。
例えば、発達障害を発見しやすい年齢があることも一つの手がかりになる場合もあります。
国立精神・神経医療研究センターによると、自閉症(自閉症スペクトラム障害)の発見は幼児期前期(1~2歳)頃が多いのですが、ADHDは学童期(7~12歳)、学習障害は学童期後期(11~12歳)頃が多いと言われています。
このように、適切な情報を取り入れ判断することが大事です。ただし、それには限界があります。発達障害とは言っても、「個性」であって、「特性」です。特別な支援の必要性を感じないと思ってしまう場合も多いです。
また、発達障害の診断を受けたり、他の子どもと違うというレッテ ルを貼られたりすることへの拒絶感から、支援の機会を逃していることも少なくありません。
そこで、公的な機関が行う乳幼児健診や就学時検診などにおいて、特別な支援が必要かもしれないと言われたら、専門家の意見を素直に受け取ることもまた必要なのではないかと思います。
発達障害かもしれないと思った時の相談先
お子さんの様子を見ていて、友達や他の兄弟とは何かが違うと思われることがあるかもしれません。そういう場合は、担任の先生や発達支援コーディネーターの先生に相談することも大事ですが、公的機関に相談するのもひとつの手です。以下に主な専門機関を紹介します。
- 子育て支援センター
- 児童相談所
- 市町村の保健センター
- 発達障害者支援センター
これらは自治体のホームページなどで、詳細な連絡先が掲載されていることが多いです。電話でも訪問でも大丈夫なので、悩む前に一度相談してみるのも良いかもしれません。不安な気持ちが少しでも軽くなると思います。
まとめ
発達障害のある子は、他の子との関係作りなどがとても苦手な一方で、ある能力がずば抜けて発揮されている場合もあり、周りから見てアンバランスな様子が理解されにくい障害です。
やればできるのに、「なまけているの?」と思われたり、ちぐはぐな回答で「わざとやっているの?」と怒られてしまったり、「よく分からない子」だと思うこともあるかもしれません。
ただ裏返して考えると「飽きっぽくて興味が移りやすい」のは「活動的・主体的だ」、「こだわりが強い」のは「一つのことを極める性格だ」、「決まりを守りたがる」のは「正義感が強い」といったように、発達障害の特性をプラスに捉えることができます。
実際、適切な支援をしてあげると一般のお子さん以上に力を発揮することもあり、大人になって自分の得意な分野で優れた能力を発揮している発達障害の人も多いです。
よって、苦手な部分に注目しそこだけ支援するのではなく、お子さんの特性を前向きに捉えながら、お子さんの自己肯定感を高め、お子さんの「長所」をもっと伸ばせるような支援を工夫していくことがとても重要になってきます。
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