世界には様々な気候とその気候に適応した暮らしがあります。
今回は、寒帯・亜寒帯と呼ばれる2つの気候帯の特徴と暮らしについて解説していきます。
あすなろには、毎日たくさんのお悩みやご質問が寄せられます。
この記事は地理の教科書に基づいて中学生のつまずきやすい単元の解説を行っています。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
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寒帯
北半球の北極に近い地域を中心とする、上の地図の青く塗られた地域を寒帯といいます。
寒帯ではほぼ一年中氷や雪に覆われていますが、場所によっては短い期間だけ雪や氷が一部解けるところもあります。
寒帯の特徴
太陽が夜に沈まなかったり、昼に昇らなかったりする
寒帯の地域は、季節によっては、日本のように毎日太陽が昇り、沈むということが起こりません。例えば、夏は常に太陽が沈まなかったり、冬に太陽が昇らない日が何日も続くことがあります。
なぜそのようなことが起きるかを説明しましょう。
太陽と地球の位置関係は1年で変わりますが、寒帯は特に夏至の時期は常に太陽の光が当たり続ける位置にあり、冬至の時期は常に太陽の光が当たらない位置関係となるからです。下の図を見るとわかりやすいかと思います。(夏に太陽が沈まないことを白夜、冬に太陽が昇らないことを極夜といいます。)
気温が低く、降水量が少ない
常に太陽の光が当たり続ける時期があると説明しましたが、面積あたりの日光の量が極端に少なく、気温は一年中通して低いです。
また、降水量も他の気候に比べると低くなっています。
植生がほとんどない
気温が低く、降水量が少ないという厳しい環境で生き延びることが出来る生物はごく一部で、樹木はなく、コケ類などが生えている場所がある程度です。
従って、寒帯の地域では農業をすることは出来ません。
地中は永久凍土と呼ばれる、一年中0°以下の土に構成されています。
寒帯で暮らす種族:イヌイット
カナダ北部を中心に生活をしている「イヌイット」と呼ばれる種族がいます。
アラスカ、シベリア北部、グリーンランド等にも住んでおり、寒冷気候に適応した伝統的な生活や文化を持っています。
イヌイットの生活
イヌイットの人々は、主に狩猟によって食べ物を得ています。
狩猟するのは主に
- トナカイ
- アザラシ
- セイウチ
- クジラ
- サーモン
などです。これらの動物を生肉のまま食べます。
イヌイットの住居
イヌイットの人々は、冬の間はイグルーと呼ばれる氷と雪で作られた住居で暮らす人たちがいます。
現在では、狩猟の期間だけイグルーで過ごすという人もいるそうです。
また、夏にトナカイの革や骨を用いた家で過ごすこともあるようです。
イヌイットの衣服
イヌイットの人々は、トナカイの革から作られた服を着て生活しています。
現在のイヌイット
様々な文化を持つイヌイットですが、近年は都市で生活する人も増加してきています。
狩猟に用いる武器も、弓や槍からライフルに、移動手段も犬ぞりからスノーモービルなどのモータービークルに変化してきています。
イヌイットの方々の食材も街で買うことができ、生活するためには貨幣も必要になってきています。
亜寒帯(冷帯)
北半球の寒帯の南に主に位置する気候を亜寒帯(冷帯)といいます。主にロシアのシベリア地方、カナダの南西部を除く大部分、北欧、東欧に位置しています。日本の北海道も亜寒帯に属しています。
亜寒帯の特徴
冬は寒く、夏は意外と暖かい
寒帯と同様に冬の気温は非常に低いですが、夏は意外と暖かくなります。北海道なども、冬は最高気温が氷点下を下回ることが良くありますが、夏は20°以上になります。
植生が存在、農耕が可能
寒帯ではコケ類しか生息することができない環境でしたが、亜寒帯では針葉樹林が存在します。
亜寒帯の大部分の地域で、広大な針葉樹林群があり、これらをタイガといいます。
また、亜寒帯では農耕ができます。稲作は厳しいですが、小麦やジャガイモなどの栽培が可能です。
草原地帯も多いことから、酪農や放牧が行われている地域も多いです。
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