学習障害のあるお子さんは学習する意欲はあるのに、うまくできなくてイライラすることが多いです。
また、自分でも文字がどのように見えるのか、数をどのように理解しているのかなどを伝えることも難しく、親もその大変さを理解するのに苦労します。
今回は学習障害と思われるお子さんの学習方法の工夫の仕方をお話していきます。
国語の学習方法
国語は基本的に文字の読解が苦手です。
文字が反転して見える、ぼやけて見える、丸い団子のように見えるなど、お子さんによって見え方は様々です。
教科書の文字は特に理解しにくいと言われています。
まずは文字の拡大をしてみましょう。
視覚障害者用に拡大版の教科書も販売されています。
教科書を取り扱う会社に問い合わせたり、学校に聞くと用意してもらえる可能性があります。
もし用意できない場合は、教科書を拡大コピーする、虫眼鏡などの拡大できるものを使うなどします。
文字が拡大されることで形の認識ができるようになるので、その後の書きの問題に繋がってきます。
また、「今どこを読んでいるか分からなくなる」ということもあります。
この場合は、スリットの入っている下敷き(普通の下敷きにカッターでスリットを入れるのもあり)で一行だけ見えるようにして、そこを読めるようにします。
拡大版の教科書や、虫眼鏡など拡大できるものを使う。
![発達障害イメージ画像](https://asunaro-a.com/wp-content/uploads/2022/09/magnifier_mushimegane_text.png)
下敷きなどを使い、一行だけを見えるようにして読む。
![発達障害イメージ画像](https://asunaro-a.com/wp-content/uploads/2022/09/jisyo_jiten_boy.png)
![](https://asunaro-a.com/wp-content/uploads/2019/05/staff_harumi_700.png)
算数(数学)の学習方法
学習障害のお子さんは数字の概念を理解するのが難しいと言われています。
なぜ1と1が足されると2になるのか、繰り上がりとは何か、数字の大きい小さいが理解できないなど、これもお子さんによって様々です。
まずは数の概念を理解するため、具体的に物を見せながら教えていくといいでしょう。
1はブロック1つ、2はブロック2つなどと目の前で見せて文字としての数字とリンクさせます。
そしてそれが理解できるようになったら、簡単な計算を具体的な物を使って練習していきます。
例えば1+1=2になる計算は、ブロック1つとブロック1つを足してブロックが2つになる、これを繰り返していきます。
簡単な計算ができてきたら、繰り上がりの計算などもできるだけ具体的なものを使って練習してきます。
ある程度できるようになったら文字だけにして繰り返し練習していきます。
![](https://asunaro-a.com/wp-content/uploads/2019/05/staff_harumi_700.png)
理科社会の学習方法
理科や社会は暗記科目な部分があるので、覚えるのが苦手なお子さんもいます。
また、教科書やノートの内容を覚えるとなると、文字での記憶になるのでより苦手意識を持つ可能性があります。
写真やイラストを使って学習すると、それを記憶して覚えられるので文字で覚えるよりも覚えやすいと考えられます。
理科だと、例えば光合成について学習する際にはイラストを描いて「二酸化炭素を出す、太陽の光で酸素を作る」と口に出して覚えます。
なるべく文字を使わないようにするため、イラストをなぞりながら言葉にすると文字よりも覚えやすいです。
中学生の化学式などもイラストやカラーシールなどを使うと分かりやすく学習できます。
社会は資料集を使うと学習の効率が上がります。
また、年表などはどうしても文字での記憶になってしまうので、漫画で学べるシリーズなどのイラストが多めのものを使うと多少覚えるのが楽になります。
この際も前述した拡大機などを使うと文字も読みやすく、漫画なのでストーリー性があり記憶しやすいです。
中学生くらいの内容になると漫画だと限界があるので、簡単な年表を作り、拡大機やスリット下敷きなどで読めるようにしていきます。
なるべく文字を使わないようにイラストを描いて口に出して覚える
![発達障害イメージ画像](https://asunaro-a.com/wp-content/uploads/2022/09/発達障害記事0906.png)
漫画で学べるシリーズなどのイラストが多めのものを使う
![発達障害イメージ画像](https://asunaro-a.com/wp-content/uploads/2022/09/発達障害記事0906-02.png)
![](https://asunaro-a.com/wp-content/uploads/2019/05/staff_harumi_700.png)
学習障害は出だしの「文字を書く・読む」「数字の概念」が分かるとその後の勉強に希望が見えます。
まずは小さいうちに出だしを克服して、学習しやすい環境にしてあげましょう。
学習障害は一見するとわかりにくく、単に勉強が苦手・怠けていると見えてしまいがちです。
少しでも異変に気付いたら専門のところに行くことをおすすめします。
学習障害ではなく、視覚の病気の可能性もあるのでまずは専門機関に相談しましょう。
そこでもし学習障害だと診断されたら上記のことを試してみてください。
お子さんは自分なりに頑張っています。
健常者にはわかりにくい問題なのでもやもやするかもしれませんが、怒らずに長い目で優しく見守ってあげてください。
![体験授業についてのご相談窓口はこちら「家庭教師ってどんな感じ?」「体験だけでもいいの?」「今の勉強方法と比べてみたい」などお気軽にご相談ください。「受けてよかった!」と思ってもらえる自信があります。0120-32-4152受付時間/午前9時~午後10時 土日祝も受付しております。](https://asunaro-a.com/wp-content/uploads/2019/03/cta-12.png)
あすなろで指導にあたっている発達障害の主な種類
発達障害とは、主に脳の中枢神経の機能不全により起こるとされている障害で、大きく4つに分類されます。また、以下の図のように、2つ以上の特性を併せ持っている場合もあります。
家庭教師のあすなろでは、発達障害のあるお子さんの特性に応じて、適切な指導を行なえるようサポートしています。
![アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害に含まれる分類):
知的な遅れを伴わない自閉症の分類。コミュニケーションや興味に大きな偏りがみられます。言葉の遅れは見られません。
学習障害(LD):
全般的な知的発達に遅れはないものの、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のいずれかが極端に困難です。
軽度発達遅延・精神遅滞:
言葉の発達に遅れが見られたり、物事を理解することが難しい。軽度発達遅延はおおむねIQ50~70を指します。
注意欠陥・多動性障害(AD/HD):
不注意(集中力がない)、多動性(落ち着きがない)、衝動性(我慢できない)などを特徴とする行動が、幼少期から見られます。](https://asunaro-a.com/wp-content/uploads/2019/04/hattatsu_img02-1024x740.png)
発達障害のお子さんの教え方についてよくあるご質問
発達障害のお子さんの教え方でよくお問い合わせいただくご質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。 その他、疑問や質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。