自閉症・アスペルガー症候群とは
自閉症、アスペルガー症候群とは、感情や認知といった部分に関与する生まれつきの脳機能障害だと考えられています。
社会的なコミュニケーションや他の人とのやり取りがうまくできなかったり、興味や行動に偏りが見られたりする特徴を持っています。
現代の医学では自閉症の根本的な治療はまだ不可能であるといわれていて、そのため、早期発見、発達ペースに沿った療育、教育的な対応が必要となってきます。
自閉スペクトラム症(ASD)という考え方
以前は、特性の表れ方や言葉の遅れの有無などによって自閉症・アスペルガー症候群・特定不能の広汎性発達障害などのことをまとめて、「広汎性発達障害」と分類していました。
「自閉症」は言語の発達の遅れを伴い、「アスペルガー症候群」は言葉の発達の遅れや知的発達の遅れを伴わないことで定義上分けることができます。その一方で、「対人関係およびコミュニケーションの障害」「こだわり、興味のかたより」といった2つの特徴は共通しています。
そこで、自閉症やアスペルガー症候群を別々の障害と考えるのではなく、一つの連続体(スペクトラム)として考えて、「自閉スペクトラム症(ASD)」に統合されました。
※最近、自閉症スペクトラム症という言葉がよく聞かれるようになりましたが、2005年施行の発達障害者支援法では別の診断基準(ICD-10)を使っていることから、行政の福祉サービスでは引き続き「広汎性発達障害」が使われることも多いそうです。
自閉スペクトラム症の特徴
自閉スペクトラム症のお子さんの特徴として、下記のことが挙げられます。
- 相手の気持ちや状況といった曖昧なことを理解するのが苦手
- 事実や理屈に基づいた行動を取る傾向にある
- 表情や話しぶり、視線などから相手の気持ちを汲み取ることができない(空気が読めな い)
- 予定外のことが起きた際に強い不安を抱く
特に、臨機応変な対応が出来ず、対人関係を築くのが難しく誤解されてしまいがちです。その結果、家庭や学校で理解してもらいにくく、身体症状(腹痛、チックなど)、精神状態(うつ、緊張など)、不登校や引きこもりなどの「二次障害」を引き起こしやすいと言われています。
自閉スペクトラム症のお子さんの指導方法
①簡単な言葉でゆっくりと話す
難しい言い回しや曖昧な表現を使って話をしていても、自閉スペクトラム症の特性を持つお子さんには伝わらない事が多いです。
そのため指導する際には、簡単な言葉を使ってゆっくりと話すように心がけて指導をしています。
②予定の変更がある場合は、変更後の全体のスケジュールを伝える
自閉スペクトラム症のお子さんの多くは、想像力が弱いという特性があります。例外を思い描く力が弱く、変更や訂正の可能性を考慮することが苦手で、予定外のことが起きた際には、強い不安を抱きます。
そういった混乱を防ぐためにも、予定の変更は極力避けています。
それでも予定が変更になった時には、変更の内容をできるだけ早めに伝え、今後のスケジュールがどう変わるのかを紙に書くなどして視覚的に伝えます。
③視覚的に伝わるように画像や文字を使って説明する
自閉スペクトラム症のお子さんは、視覚的な能力に優れているといった特性があります。そのため耳からの情報よりも目で見た情報の方が取り入れやすいといった傾向があります。
指導の際には、その点を意識して口頭で説明するよりも、画像や文字を使った説明を取り入れて指導を進めていきます。
発達障害のお子さんの教え方についてよくあるご質問
発達障害のお子さんの教え方でよくお問い合わせいただくご質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。 その他、疑問や質問がありましたらお気軽にお問い合わせください。