「中学受験にはどんなメリットやデメリットがあるのだろう？」 「うちの子は中学受験に向いているのかな？」
小学生を育てている保護者さまの皆さんにとって、我が子に中学受験が必要かどうかを判断するのは悩ましい問題だと思います。
この記事では、中学受験のメリット・デメリットを詳しく解説し、さらに中学受験に向いているお子さんと向いていないお子さんの特徴についても説明しています。
中学受験を考える上での判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
=もくじ=
中学受験と高校受験
一昔前まで、中学受験をするのは極一部の限られた人だけでしたが、年々増加傾向にあり、首都圏では5人に1人が中学受験を経て進学しているほどです。
では、具体的に中学受験と高校受験では何が違うのでしょうか？
まずは、中学受験と高校受験の違いを「偏差値」「入試問題」「内申点の役割」「保護者のサポート」といった観点から詳しく見ていきましょう。
偏差値
中学受験と高校受験では、偏差値の基準が異なります。
中学受験は、受験勉強をしっかりと行っている小学生が対象となるため、受験者数が少なく、偏差値が全体的に低くなる傾向があります。
一方、高校受験では、ほとんどの中学3年生が受験するため、偏差値の基準が広く設定されており、
中学受験よりも10以上高くなることが一般的です。
そのため、偏差値が同じでも中学受験と高校受験では学力のレベルに違いがあることを理解しておくことが重要です。
入試問題
中学受験の問題は、学校ごとに内容や難易度が大きく異なります。
特に難関校の場合、小学校で習う範囲を超えた問題が多く、志望校に合わせた特別な対策が求められます。
公立の中高一貫校では、文章を読み解く力や、自分の考えを表現する力が試されることが特徴です。
高校受験では、公立高校の問題は主に中学校の教科書の範囲から出題されますが、難関私立高校では教科書を超えた応用問題が出題されることもよくあります。
内申点の役割
公立高校の受験では、中学校での成績（内申点）が入試結果と一緒に評価されます。
内申点はテストの点数だけでなく、授業態度や提出物なども考慮されるため、日々の学校生活が重要となります。
しかし、近年では特に難関校において、学力試験の結果がより重視される傾向があります。
一方で、中学受験においては、多くの私立中学校では内申点を考慮しないため、内申点が重視されるのは
主に公立中高一貫校のみです。
保護者さまのサポート
中学受験では、周囲の友達が遊んでいる中で長時間勉強しなければならないため、保護者さまのサポートがとても重要です。特に、励ましの言葉や毎日のスケジュール管理を通じて、お子さんの負担を軽減する手助けが求められます。
一方、高校受験では、自分で計画を立てて進める能力が必要とされるため、保護者さまが過度に介入しないことも大切です。どちらの受験でも、お子さんにとっては人生の大きな節目となり、精神的に成長する良い機会でもありますので、できる限りのサポートを提供しましょう。
中学受験のメリット
小学生の時期はまだお子さんも遊びたい盛り、勉強よりも遊びの時間を優先したいと思うお子さんも多いことでしょう。
そのような時期から塾に通わせて中学受験をすることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。 詳しく紹介していきます。
お子さんに合った学校で学べる
公立学校は居住地によって通う学校が決まるため、自分で学ぶ環境を選ぶことはできません。
それに対して、私立の中高一貫校は各校に異なる特徴があり、お子さんの興味や関心、個性に合った学校を選ぶことができます。保護者さまの教育方針やお子さんの希望が明確な家庭にとっては、適性に合った学校を選べることは
大きな利点と言えるでしょう。
学力や価値観の合う子と過ごせる
公立校はさまざまなお子さんが入学してくるのに対して、私立の中高一貫校は学力や価値観が似ていお子さんたちが集まりやすいため、親子ともに環境に対するストレスを減らすことができます。
公立校では、どうしても学力が低い子に合わせた授業が進みやすいですが、私立の中高一貫校では、同じような学力の子たちが集まっているため、より質の高い授業を受けることができます。
また、カリキュラムは独自に設計されており、効率的に学習を進められる点も特徴です。
さらに、受験を経て入学するお子さんたちは学習意欲が高い場合が多く、そのサポートに熱心な保護者さまも多いため、同じような環境で育った子たちと一緒に過ごせることは、大きな安心感につながると言えるでしょう。
目標達成力が身につく
中学受験を目指す場合、小学校の早い段階から塾に通い、計画的に勉強を続けることが求められます。
模試の結果が思うように伸びなかったり、計画通りに勉強が進まなかったりといった困難に直面することもあるでしょう。その都度、自分で試行錯誤しながら問題を解決しようと努力することで、目標を達成する力が養われます。
自分で決めた志望校に合格するために目標を立て、それを達成しようと取り組む経験は、中学以降の学習習慣や生活において大いに役立つことでしょう。
質の高い教育や手厚いフォローを受けられる
中高一貫校は、教育だけでなく課外活動や部活動も盛んに行われており、学校側のサポートが充実していることが多いです。最先端の教育方法を採用していたり、今後のグローバル化やAI技術を視野に入れた授業や活動が提供されたりと、学校ごとに独自の特色を持った環境を選ぶことができます。
また、学校の教育理念に基づいた生活を送ることで、お子さんの長所や興味を引き出しやすい環境で成長できるとも言えるでしょう。
中学受験が向いている子の特徴
ここからは、中学受験に向いているお子さんの特徴を3つご紹介していきます。
勉強が好きで進んで学習できる
もともと勉強が好きで、新しいことを学び、問題を解けるようになることに楽しさを感じる子どもは、成績が良く伸びやすい傾向があります。
また、日々の生活の中で自然に勉強の時間が確保されており、無理なく学習を進められる環境が整っている場合、受験勉強にもスムーズに取り組むことができるでしょう。
好奇心が旺盛
さまざまなものに興味を持ったり、知りたいという欲求が強い好奇心旺盛なタイプの子は、
分からないことを自分から調べたり学ぼうとする意識が高いため、受験勉強でも成果を出しやすいです。
自分から進んで学習する姿勢も自然と身についていることから、前向きに学習を続けていくことが出来る傾向にあります。
目標意識が高い
自分から進んで取り組む目標意識が高いお子さんは、長期にわたる中学受験でも最後まで頑張り抜くことができます。
例えば、「この学校で学びたい」という強い思いや、「この部活に参加するためにこの学校に入りたい」という明確な目的があるお子さんは、自分から受験を決めた場合、保護者さまから勧められて受験を決めた子どもよりも良い結果を出しやすいです。
中学受験では、保護者さまが無理に決めるのではなく、お子さんが自分で行きたい学校に出会えるようにサポートしてあげることが大切です。
中学受験に向けた塾の選び方
中学受験を目指すと決めたのであれば、次は塾選びです。
どのような塾を選ぶのかによって、今後の進路を大きく左右することになるため、慎重に検討を重ねましょう。
塾選びのポイントを4つにわけてご紹介していきます。
子どもの学力や性格に合った塾を選ぶ
塾を選ぶ前に、まずはお子さんの学力や得意・苦手な分野をしっかり把握することが大切です。
集団指導が向いているのは、競争心があり、友達と切磋琢磨しながら学べるお子さんや、学力が比較的安定しているお子さんです。一方、個別指導は、質問が苦手だったり、苦手科目が多いお子さんに向いています。
しかし、実際に通ってみないと分からないこともあるので、体験授業や入塾テストを利用して、お子さんに合った授業スタイルを見つけることが重要です。
志望校への合格実績を確認する
すでに志望校が決まっている場合、その学校の合格者を多く輩出している塾は、受験の傾向や対策がしっかりと整っている可能性が高いです。志望校への合格実績だけでなく、成績があまり良くなかったお子さんが合格した事例も参考にすると良いでしょう。
また、もし志望校に合格者がいない場合でも、同じレベルの学校に対する合格実績があるかどうかを確認するのも有益です。
授業料とトータル費用を把握する
塾の授業料は月額だけでなく、季節講習費や模試代なども含めて考える必要があります。
年間のトータル費用は、小学4～5年生で40～70万円、6年生では90～120万円が目安です。
中学受験にかかる全体的な費用を事前に把握し、無理のない予算内で選ぶようにしましょう。
高額な塾が必ずしもお子さんに合うとは限らないため、費用に見合った指導内容やサポート体制が整っているかを確認し、家計とのバランスを考えて選ぶことが大切です。
塾の雰囲気や環境を体験する
実際に塾を訪れて体験授業を受け、塾内の雰囲気を確認しましょう。
講師や他の生徒との相性、教室の環境、自習室の設備なども重要な要素となります。
また、一つだけの塾だけに絞らず複数の塾を比較して、それぞれの特徴を理解したうえで最適な塾を選ぶのがおすすめです。
まとめ
中学受験は、親子共に多くの負担がかかり、合格を目指すためには相当な時間と努力が求められます。
しかし、設定した目標に向かって努力する経験は、必ずや貴重なものとなるでしょう。
中学受験が本当に必要かどうかは、親子で十分に話し合い、お互いに共通の認識を持って進めていくことが重要です。
