準動詞は「不定詞」「動名詞」「分詞」の総称で、この3つは「動詞の意味を持つが品詞が動詞ではないもの」です。それぞれどのような使い方があるのか見ていきましょう。
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この記事は英語の教科書に基づいて高校生のつまずきやすい単元の解説を行っています。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
不定詞
不定詞とは「to + 動詞の原形」という形で使います。不定詞の使い方には、名詞、形容詞、副詞の3つの用法があります。どの使い方でも動詞の意味は持っていますが品詞が動詞ではないということに注意しましょう。
例
名詞として使う場合
Remember to send e-mail to him.
(彼にメールを送ることを覚えておいて。)
「to send e-mail to him」は「彼にメールを送ること」という名詞として使われています。
形容詞として使う場合
She has many friends to speak English.
(彼女には英語を話す友達がたくさんいます。)
「to speak English」は「friends」を修飾している形容詞として使われています。
副詞として使う場合
May I ask your e-mail address to send you the data?
(データを送るためにメールアドレスを教えていただけませんか?)
「to send you the data」は「データを送るために」という副詞として使われています。
動名詞
動名詞は動詞を進行形「~ing」形で使い、動詞の意味は持っていますが品詞が動詞ではありません。動名詞は名詞としての使い方のみで、「~すること」という意味になります。
例
Reading books is my hobby.
(読書は私の趣味です。)
I like drawing pictures.
(私は絵を描くことが好きです。)
動名詞は名詞として扱うので主語、目的語、補語になることができます。
分詞
分詞とは、現在分詞や過去分詞のことで、これらも動詞の意味を持っていますが品詞は動詞ではありません。分詞は形容詞の1種で、他の形容詞と同じように使い、名詞を修飾したり補語になったりします。
例
The girl playing the piano is my sister.
(ピアノを弾いている女の子は私の妹です。)
He looked annoyed at me.
(彼は私にイライラしているようだった。)
1つ目の例文の「playing the piano」は「the girl」を修飾しているので形容詞のはたらきをしています。また、2つ目の例文の「annoyed at me」は補語として働いています。この分詞の使い方は現在分詞でも過去分詞も同じように使うことができます。
また、分詞を使って「接続詞+主語+動詞」のはたらきをする「分詞構文」という使い方があります。分詞構文は、原因・条件・譲歩・結果・付帯状況などを表す副詞のはたらきをします。
Seeing his mother, he ran away.
(彼は母親を見ると逃げ出した。)
元の文は「When he saw his mother, he ran away.」で、分詞構文で表現することによってWhenとheが省略された形になっています。
例題
次の( )の中の動詞を適切な形に直しなさい。
①Keep your eyes (close) until I say OK.
②There is good place (take) a walk near the lake.
③We enjoyed (swim) yesterday.
解答
①
closed
目は「閉じられる」ので受動態の形にします。
②
to take
「歩くのにいい場所」でtakeはplaceを修飾するので形容詞のはたらきをします。takingだと「場所が歩く」といった意味になってしまいます。
③
swimming
「enjoy + doing」で「~することを楽しむ」という意味になります。enjoyの後にto doは使えません。
まとめ
今回紹介した「準動詞」は動詞の意味を持っているが、品詞は動詞ではないもののことで、3つの種類があります。
・不定詞…名詞、形容詞、副詞
・動名詞…名詞
・分詞 …形容詞、副詞(分詞構文)
出てきた準動詞は何を修飾しているかを考えながら英文の意味を考えていきましょう。