式と証明(いろいろな式)|高校数学のつまずきやすい単元を徹底解説!

数学が苦手なお子さんの数は中学、高校とも学年が上がっていくごとに増えていきますよね。今回は高校2年生の数学の中でも式と証明について書いていきたいと思います。式と証明の単元では式変形についての一般的な定理や公式が出てきます。使えると便利な公式や定理があるのでおさえておきましょう。


あすなろには、毎日たくさんのお悩みやご質問が寄せられます。
この記事は数学の教科書に基づいて高校生のつまずきやすい単元の解説を行っています。

文部科学省 学習指導要領「生きる力」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm

整式の乗法・除法、分数式の計算・二項定理

数についての四則演算や分数などは小学校からずっとやってきていると思いますが、この単元では式についての四則演算や分数などについて学びます。計算方法基本的に数のときと同じなので、計算が複雑になることがあるくらいで苦労する人は少ないと思います。

3次式の展開、因数分解

以下の公式で、左辺から右辺が3次式の展開、右辺から左辺が3次式の因数分解の公式です。これらの公式は数学Iで習う学校もあります。展開は計算するだけです。因数分解も3次式のこのような形は重要なので覚えておくようにしましょう。
\((a+b)(a^2-ab+b^2)=a^3+b^3\)
\((a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3\)
\((a+b)^3=a^3+3a^2 b+3ab^2+b^3\)
\((a-b)^3=a^3-3a^2 b+3ab^2-b^3\)

整式の除法

xについての式でも実数などと同じように割り算をすることができます。
一般にxについての整式Aを、xについての整式Bで割ったときの商をQ、余りをRとすると、
 A= BQ + R
と表すことができる。特にR = 0 、A= BQのとき、AはBで割り切れるという。
Rは余りなので、Bよりも次数が低くなります。

分数式の計算

整式Aと定数でない整式BについてA/Bの形を分数式といい、Aを分子、Bを分母といいます。分数式では数の分数と同じように分母・分子に0でない式をかけたり、分母・分子を共通な因数で割ったりできます。分数式の約分や四則演算、通分がどのように計算できるかを紹介していきたいと思います。

分数式と約分

\(\frac{A×C}{B×C}=\frac{A}{B}\)

分数式の乗法・除法

\(\frac{A}{B}×\frac{C}{D}=\frac{AC}{BD}\)
\(\frac{A}{B}÷\frac{C}{D}=\frac{A}{B}×\frac{D}{C}=\frac{AD}{BC}\)

分数式の加法・減法

\(\frac{A}{C}+\frac{B}{C}=\frac{A+B}{C}\)
\(\frac{A}{C}-\frac{B}{C}=\frac{A-B}{C}\)
\(\frac{A}{B}+\frac{C}{D}=\frac{AD+BC}{BD}\)

恒等式

文字にどのような値を代入しても常に成り立つ等式を、その文字についての恒等式といいます。
恒等式の性質としては、
①\(ax^2+bx+c=a’x^2+b’x+c’\)がxについての恒等式 ⇔\(a=a’,b=b’,c=c’\)
➁\(ax^2+bx+c=0\)がxについての恒等式 ⇔ \(a=0,b=0,c=0\)
の2つがあり、恒等式とは簡単に言うと右辺と左辺が同じ形になる式のことです。

等式と不等式の証明

証明問題の中でも等式、不等式の証明について大切な部分を紹介したいと思います。

等式の証明

等式A = Bを証明するためによく使われる3つの方法があります。
①Aを変形してBを導く。または、Bを変形してAを導く。
➁AとBをそれぞれ変形して同じ式を導く。
③A-B = 0 であることを示す。
また、条件が比例式で与えられたときは、その値をkとおき、例えば、\(\frac{a}{b}=\frac{c}{d}=k\)とおいたなら、\(a=bk,c=dk\)として計算することが多いです。

不等式の証明

不等式A>Bを証明するためには、A-B>0であることを示すことがほとんどです。また、実数a , b , … に対して、\(a^2+b^2+…≥0\)といった性質も使うことが多いです。

相加平均と相乗平均の大小関係

不等式の証明をするときに使われ、他にも最小値を求めるときに使ったりするのでしっかりと覚えておくようにしましょう。
a>0,b>0のとき、
\(\frac{a+b}{2}≥\sqrt{ab}\)
等号が成り立つのはa=bのときである。

よくある例題

式と証明についての例題をいくつか紹介していきます。

例題 (分数式)

次の計算をせよ。
①\(\frac{3x+6}{x^2+x+1}×\frac{x^3-1}{2x^2+3x-2}\)   
➁\(\frac{1}{x-1}-\frac{2}{x^2-1}\)

解答

①\(\frac{3x+6}{x^2+x+1}×\frac{x^3-1}{2x^2+3x-2}\)
\(=\frac{3(x+2)(x-1)(x^2+x+1)}{(x^2+x+1)(2x-1)(x+2)}\)
\(=\frac{3(x-1)}{(2x-1)}\)

②\(\frac{1}{x-1}-\frac{2}{(x^2-1)}\)
\(=\frac{1}{x-1}-\frac{2}{(x+1)(x-1)}\)
\(=\frac{(x+1)-2}{(x+1)(x-1)}\)
\(=\frac{x-1}{(x+1)(x-1)}\)
\(=\frac{1}{x+1}\)

例題 (恒等式)

\(ax^2+b(x-1)+c(x+1)(x-1)=x^2+2x+3\)がxについての恒等式になるように定数a , b , c の値を求めよ

解答

左辺を展開して整理すると、
\(ax^2+bx(x-1)+c(x+1)(x-1)\)
\(=ax^2+bx^2-bx+cx^2-c\)
\(=(a+b+c)x^2-bx-c\)
両辺を比較して、
\(a+b+c=1,-b=2,-c=3\)
よって、
\(a=6,b=-2,c=-3\)

例題 (等式の証明)

\(a+b+c=0\)のとき、等式\(a^3+b^3+c^3=3abc\)が成り立つことを証明せよ。

解答

\(a+b+c=0\)から、\(c=-a-b\)なので、
左辺を変形すると、
\(a^3+b^3+c^3\)
\(=a^3+b^3+(-a-b)^3\)
\(=a^3+b^3+(-a^3-3a^2 b-3ab^2-b^3)\)
\(=-3a^2 b-3ab^2\)
右辺を変形すると、
\(3abc=3ab(-a-b)=-3a^2 b-3ab^2\)
よって、左辺と右辺は等しく、
\(a^3+b^3+c^3=3abc\)

例題 (不等式の証明)

\(a>b,a>c\)のとき、不等式\(a^2+bc>a(b+c)\)が成り立つことを証明せよ。

解答

(左辺)-(右辺)を計算すると、
\(a^2+bc-a(b+c)=a^2-ab-ac+bc\)
\(=a(a-b)-c(a-b)=(a-b)(a-c)\)
\(a>b,a>c\)から、
\(a-b>0,a-c>0\)
よって、\(a^2+bc-a(b+c)=(a-b)(a-c)>0\)より、
\(a^2+bc>a(b+c)\)

例題 (相加平均と相乗平均の大小関係)

\(x>0\)のとき、不等式\(4x+\frac{1}{x}≥4\)が成り立つことを証明せよ。また、等号が成り立つのはどのようなときか。

解答

\(x>0\)から、\(4x>0,\frac{1}{x}>0\)であるので、相加平均と相乗平均の大小関係から、
\(4x+\frac{1}{x}≥2\sqrt{4x⋅\frac{1}{x}}=2⋅2=4\)
よって、
\(4x+\frac{1}{x}≥4\)
また、等号が成り立つのは\(4x=\frac{1}{x}\)すなわち\(x^2=\frac{1}{4}\)のときであり、\(x>0\)なので、\(x=\frac{1}{2}\)のときである。

式と証明で身につけるべきこと

式と証明という単元の問題は入試で単独で出てくることは少ないですが、多くの応用問題でこの分野の内容が基本となっています。基本的な考え方や変形の仕方は他の分野の問題でも必要になってきます。この単元の内容は他の単元の応用問題で必要になってくることがあるので、この単元で出てくる基本的な問題は確実に解けるようにしておきましょう。特に、恒等式がどのようなものかや相加平均と相乗平均の大小関係、等式・不等式の証明の仕方は身についてないと困ると思いますよ。

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