こんにちは、あすなろスタッフのカワイです。
多項式を展開するときの4つの公式では、\((x+a)(x+b)\)のような型の計算を体系的に解くことが出来ると学んだと思いますが、この型とは少し違うものも、公式に当てはめて解くことが出来ます!
なので今回は、様々なパターンにおいて、公式を用いて解く方法を解説します!
前回の記事はこちら:【中2数学】多項式を展開するときの4つの便利な公式を覚えよう!
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この記事は数学の教科書に基づいて中学校2年生のつまずきやすい単元の解説を行っています。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
=もくじ=
復習
多項式の展開の公式
- \((x+a)(x+b)=x^{2}+(a+b)x+ab\)
- \((x+a)^{2}=x^{2}+2ax+a^{2}\)
- \((x-a)^{2}=x^{2}-2ax+a^{2}\)
- \((x+a)(x-a)=x^{2}-a^{2}\)
係数が2以上の変数をもつ多項式同士に公式を用いた展開方法
例1.\((3x+4)(3x-1)\)を展開してみよう
上の式を見ると、\((3x+…)(3x+…)\)となっていますが、公式を見ると\((x+…)(x+…)\)となっているので、一見公式で解くことが出来ないように思えます。
しかし、ここで諦めてはいけません。ここが工夫どころです。
\(3x\)を仮に\(X\)とおいて、もう一度式を見ると、
$$(X+4)(X-1)$$
となります。このように1つ目の公式に寄せることができれば、公式に従って解くことが出来ます!
仮に\(X\)をおいた式について、公式を用いて展開すると
$$(X+4)(X-1)=X^{2}+3X-4$$
となります。
ここまで展開出来たら、仮の姿である\(X\)を元の姿である\(3x\)に戻してあげましょう。
$$X^{2}+3X-4=(3x)^{2}+3(3x)-4$$
$$9x^{2}+9x-4$$
これで展開完了です!
このような式に慣れてきたら、\(X\)などに置き換えずに解いても大丈夫です!慣れないうちはミスを防げるので、他の文字で置いて考えるようにしましょう。
※\((3x+…)(4x+…)\)のように、異なる係数となっているときは、公式を用いることが出来ないので注意して下さい。
2種類の変数をもつ多項式同士に公式を用いた展開方法
例2.\(3x-y)(3x+4y)\)を展開してみよう
前の例題で、変数に係数がついていても公式を用いて解くことが出来ることが分かりました。それを踏まえてこの例題を見ていきます。
次の式は何というか、\(x\)と\(y\)の2つの文字が入っていて、複雑にみえます。
これを公式に当てはめる為に、
- \(3x\)の部分を\(X\)におく
- \(y\)は文字として考えて、そのまま解いていく
という方針で進めていきます。
まず、\(3x\)を\(X\)と置きます。すると式は、
$$(X-y)(X+4y)$$
という簡潔な形になります。1つ目の公式\((x+a)(x+b)\)に当てはめることができます。
$$(X-y)(X+4y)=X^{2}+3yX+(-y)×(4y)$$
\(X\)を\(3x\)に戻してあげると
$$(3x-y)(3x+4y)=(3x)^{2}+3y(3x)+(-y)×(4y)$$
$$=9x^{2}+9xy-4y^{2}$$
となりました。
項が3以上の多項式同士に公式を用いた展開方法
例3.\((x+y-3)(x+y+2)\)を展開してみよう
これは公式使えないだろ…と思った方、甘いですよ。
文字の部分に着目してみると、
$$x+y$$
が共通しています。
さて、これを何かの文字で置き換えてみたらどうなるでしょうか…?
\(x+y\)を仮に\(A\)と置くと、
$$(A-3)(A+2)$$
となります。
展開公式で解くことが出来る形になりました!これを解き進めていくと、
\((x+a)(x+b)=x^{2}+(a+b)x+ab\)より、
$$A^{2}-A-6$$
\(A\)を\(x+y\)に戻してあげると、
$$(x+y)^{2}-(x+y)-6$$
$$x^{2}+2xy+y^{2}-x-y-6$$
となりました!
共通の組み合わせを見つけることができれば、このように解くことが出来ます!
まとめ
- 2以上の係数のついた変数は、別の文字に置き換える!
- 共通の組み合わせを見つけて、別の文字に置き換えると解ける場合がある!
実は、今回解いた問題は、公式を用いなくても展開できてしまいます。しかし、公式に則って解いた方が効率的でミスも減らすことが出来ます。
複雑そうに見える問題は工夫することで簡単になることが多いです。普段から問題を解く時も、いったん工夫できる点が無いか確認してから取り組む癖をつけると良いです!
下に練習問題を用意しているので、今回の学習の確認として解いてみて下さい!
やってみよう!
次の問題を展開してみよう。
- \((2x-5)(2x+3)\)
- \((2x-3y)(2x+3y)\)
- \((x+2y-1)(x+2y+1)\)
答え
- \(4x^{2}-4x-15\)
解説:\(2x\)を\(X\)と置くと、問題の式は\((X-5)(X+3)\)となる。これを計算すると\(X^{2}-2X-15\)となる。最後に\(X\)を代入すると、\(X^{2}-2X-15\)→\(4x^{2}-4x-15\)となる。 - \(4x^{2}-9y^{2}\)
解説:\(2x\)を\(X\)、\(3y\)を\(Y\)と置くと、問題の式は\((X-Y)(X+Y)\)となる。これを計算すると\(X^{2}-Y^{2}\)となる。最後に\(X\)と\(Y\)に元の値を代入すると、\(X^{2}-Y^{2}→4x^{2}-9y^{2}\)となる。 - \(x^{2}+4xy+4y^{2}-1\)
解説:\(x+2y\)を\(A\)と置くと、問題の式は\((A-1)(A+1)\)となる。これを計算すると\(A^{2}-1\)となる。\(A\)に元の値を代入すると、\(A^{2}-1→(x+2y)^{2}-1\)となる。これを計算すると\(x^{2}+4xy+4y^{2}-1\)となる。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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