【中3数学】平方根を含む乗法(掛け算)のやり方を解説します!

こんにちは、家庭教師のあすなろスタッフのカワイです!

今回は、平方根を含む式はどのように計算できるのか、について解説していきたいと思います。

平方根について若干不安がある人でも読み進めることが出来るようにしているので、良かったら最後まで読んでみて下さいね!


あすなろには、毎日たくさんのお悩みやご質問が寄せられます。
この記事は数学の教科書に基づいて中学校3年生のつまずきやすい単元の解説を行っています。

文部科学省 学習指導要領「生きる力」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm

平方根のおさらい

2乗してa(任意の数)になるときの、その数を平方根といい、\(\sqrt{a}\)と表します。

例えば、\(\sqrt{5}\)という数字の場合、これを2乗すると\(5\)になります。

これを数式的に表すと、

$$\sqrt{5}×\sqrt{5}=5$$

となりますね。根号を持つ同じ数字同士の積は根号を外した形で表されることになります。

これらを抑えたうえで、早速話を進めていきましょう。

素因数分解のおさらい

素因数分解というのは、a(任意の整数)という数字があった時に、その数字を他の数字の掛け算の形で表そうという手法ですね。この他の数字というのが「素数」という、”公約数が1とその数字のみ”である数を用いることによって、すべての整数を素因数分解で表すことが出来ます。

代表的な素数は「2,3,5,7,11,13,17,19…」などになり、この数字を掛け算するだけでも膨大な量の数字を表すことができます。

例えば、24を素因数分解した場合、\(2×2×2×3\)、すなわち\(2^{3}×3\)と表します。

平方根同士の乗法

さて、軽く復習をしたところで、本題に入っていきましょう。\(a\)と\(b\)が正の数のとき、平方根同士の乗法は、

$$\sqrt{a}×\sqrt{b}=\sqrt{ab}$$

と表されます。式の通り、\(\sqrt{}\)を考えず、数字同士の乗法をして、最後に根号をかけてあげたらOKです。平方根っていう分かりにくいものの割には、計算は簡単だとおもいませんか?

では早速、問題を解いてみましょう!。

例1.\(\sqrt{3}×\sqrt{7}\)

一旦、何も考えずに、中の数を掛けてしまいましょう。

$$3×7=21$$

根号がついていても、それは変わらないので、

$$\sqrt{3}×\sqrt{7}=\sqrt{21}$$

となります。

ここまでで、特に難しいことはありませんね!

例2.\(\sqrt{30}×\sqrt{42}\)

この問題も同様に解いていきましょう!

$$30×42=1260$$

これに根号がつくので、

$$\sqrt{30}×\sqrt{42}=\sqrt{1260}$$

となればいいはずです。

一応、これでも正解ではありますが、\(\sqrt{1260}\)って一体幾つぐらいなのか、検討がつきません。

ここで、計算結果に対して「素因数分解」をします!

\(1260\)の素因数分解って大変そう…と思うかもしれませんが、そもそも、\(1260=30×42\)と分かっているので、ここから分解していけば楽そうです。では、素因数分解をしていきます。

$$1260=30×42$$

まず、\(30\)も\(42\)も\(2\)が含まれているので、

$$=2×15×2×21$$

次に、\(3\)が\(15\)と\(21\)に含まれているので、

$$=2×3×5×2×3×7$$

残った\(5\)と\(7\)はこれ以上分解することが難しそうなので、因数分解はここでおしまいです。

従って、\(\sqrt{1260}\)は\(\sqrt{2×2×3×3×5×7}\)と表すことが出来ると分かりました!

次に、「同じ数の平方根の2乗は根号が外れる」ので、2つある”\(2\)”と”\(3\)”は根号を外した形にすることが出来ます。従って、

$$\sqrt{2×2×3×3×5×7}=2×3×\sqrt{5×7}$$

$$=6\sqrt{35}$$

となります。

この形にしたことによって、\(\sqrt{1260}=6×5.9\)くらい\(=36\)より少し小さい?

くらいまで推測できるようになりました!

先に素因数分解してから計算してもOK

\(\sqrt{30}\)と\(\sqrt{42}\)の素因数分解を先に実行してから、最後に掛けるという方法をとっても問題ありません。

実際に素因数分解を実行すると、\(\sqrt{30}=\sqrt{2×3×5}\)、\(\sqrt{42}=\sqrt{2×3×7}\)となるので、

$$\sqrt{30}×\sqrt{42}=\sqrt{2×3×5}×\sqrt{2×3×7}$$

$$=2×3×\sqrt{5×7}$$

$$=6\sqrt{35}$$

当然ながら、同じ答えになります!

まとめ

  • 根号を持つ数同士の計算は、根号の中身同士を掛け算して、根号を付ければよい
  • 答えを素因数分解して、もし同じ数字が2つあれば、その部分の根号を外す

やっていること自体はそこまで複雑ではありませんが、計算後に素因数分解をするので、その慣れが必要かもしれません。もし計算が苦手だな…という方は、素因数分解の復習をしてみてください。きっと計算しやすくなるはずです。

やってみよう!

次の計算をしよう。(根の外に出せる値は出すこと)

  1. \(\sqrt{3}×\sqrt{15}\)
  2. \(\sqrt{14}\)×\(\sqrt{21}\)
  3. \(3\sqrt{33}\)×\(2\sqrt{11}\)

こたえ

  1. \(3\sqrt{5}\)
  2. \(7\sqrt{6}\)
  3. \(66\sqrt{3}\)

最後までご覧いただきありがとうございました。

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