関係代名詞や関係副詞には制限用法と非制限用法があります。関係代名詞や関係副詞を習ったときの使い方が制限用法です。今回はもう一方の非制限用法について紹介していきたいと思います。
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この記事は英語の教科書に基づいて高校生のつまずきやすい単元の解説を行っています。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
非制限用法とは
まずは関係詞の全体像を見てみよう。下の図は関係詞の一覧です。関係詞の非制限用法では、今まで学習してきた関係代名詞の単語を使います。
使い方で今まで使ってきた制限用法との違いは、前にコンマをつけるかつけないかだけです。しかし、上の一覧からも分かると思いますが非制限用法ではthatは使えません。
また、制限用法が先行詞を特定するのに対して、非制限用法では特定ではなくおまけの情報を付け加えている程度のニュアンスです。つまり、制限用法が「特定」するのに対して、非制限用法は「補足」する用法である、ということです。
制限用法と非制限用法
例文を見ながら、関係代名詞にコンマがつく場合とつかない場合でどのように違うか具体的に見ていきましょう。
例1
I know a man who works for the pet shop.
(私はペットショップで働く男性を知っています。)
I know the man, who works for the pet shop.
(私はその男性を知っていて、彼はペットショップで働いています。)
コンマなしの例文では「a man」という先行詞を関係代名詞を使って特定しています。それに対してコンマつきの例文では「the man」のように先行詞はすでに特定されている場合が多く、関係代名詞を使って「the man」を補足しています。
どのように違うかは、関係代名詞の節を取り除くと分かりやすいです。「I know a man」では「私はある男性を知っています」となり、関係代名詞を使って「ある男性」について説明しないと聞き手は「ある男性」を特定できません。それに対して「I know the man」は「私はその男性を知っています」となり、聞き手が「その男性」を特定できる状況です。そのため、関係代名詞の後の文は補足にすぎず、なかったとしても聞き手は「その男性」を特定することができます。
例2
My younger sister who lives in Kyoto will come to Tokyo next week.
(京都に住んでいる私の妹は来週東京に来る。)
My younger sister, who lives in Kyoto, will come to Tokyo next week.
(京都に住んでいる私の妹は来週東京に来る。)
例2では和訳したときに同じ意味になる英文を比べてみましょう。コンマなしの場合は特定する機能を持っているので、例文では「姉妹が複数いる中で京都にいる妹」という意味になります。これに対してコンマつきの場合は補足であり特定する機能は持っていないので、例文では「my younger sister」が単数形なことから姉妹が1人だけであることが分かります。
このように同じ和訳になるときでもニュアンスが違うので気を付けるようにしましょう。
例題
次の英文を和訳しなさい。
①He has a son, who is studying abroad.
②Kyoto, we visited last week, is old city.
解答
①
彼には一人息子がいて、その息子は留学中です。
②
私たちが先週訪れた京都は古い街です。
まとめ
今回は関係詞の非制限用法について制限用法と比較しながら紹介しました。
・制限用法
コンマなしで使う用法
先行詞を特定する機能を持つ
・非制限用法
コンマをつけて使う用法
先行詞を補足する機能を持つ