数学苦手ではないですか?高校の学年が上がれば上がるほど、数学が苦手なお子さんは増えていきますよね。
その原因は、一度つまづいて苦手意識を持ってしまうと克服しづらく、結果的に苦手意識を持ったお子さんが減らないからです。
したがって、一度もつまづかないことが大切となってきます。「わからないな」と思ったその瞬間に対策すれば、苦手にはなりにくいです。
そこで、高校1年生の数学でつまづきやすい「実数」について書いていきたいと思います。
この単元は公式の暗記ではなく、理解して考えて解く必要があるので、しっかり理解しましょう。
あすなろには、毎日たくさんのお悩みやご質問が寄せられます。
この記事は数学の教科書に基づいて高校生のつまずきやすい単元の解説を行っています。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
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実数とは?
実数とは、簡単に言えば、「有理数と無理数を合わせた数」のことです。私たちが普段使っている数字はほぼ全て実数です。
逆に、実数でない数は虚数といい、普段目にはしません。なので、この単元は「実数」という誰もが使っているものについての単元です。
有理数と無理数
実数は大きく分類すると、有理数と無理数に分けることができます。
有理数と無理数の違いは、分数で表せるかどうかです。
分数で表すことができる数は有限小数で有理数に含まれます。一方、平方根や円周率のπなどの循環しない無限小数が無理数です。
有理数の中でさらに分類
実数から有理数、無理数に大きく分けることができると説明しましたが、有理数はさらに分類することができます。
有理数は整数、有限小数、循環小数とさらに細かく分けられます。
整数
整数とは、有理数の中で小数点以下がゼロの数のことです。例を挙げると\(-5、0、17\)などが整数です。これらは\(-\frac{5}{1}、\frac{0}{1}、\frac{17}{1}\)と表せるので有理数です。また、1以上の整数を自然数といいます。(0は整数ですが自然数ではありません。)
有限小数
有限小数とは、小数点以下できちんと終わる小数のことです。例を挙げると、\(0.5、-1.75\)などがあります。これらは\(\frac{1}{2}、-\frac{7}{4}\)と表せるので有理数です。
循環小数
循環小数とは、小数点以下が循環している小数のことです。例を挙げると\(0.333…、0.272727…\)などがあります。これらは\(\frac{1}{3}、\frac{3}{11}\)と表せるので有理数です。循環小数は循環している数の上に\(0.\dot{3},0.\dot{2}\dot{7}\)のようにドットをつけて表されます。
よくある例題
この単元でよく出される問題をいくつか紹介したいと思います。
例題 (分類する)
{\(0.\dot{4}\dot{2},\sqrt{2},-94,1.23,7\)}を整数、有限小数、循環小数、無理数に分類せよ。
解答
整数:\(-94,7\)
有限小数:\(1.23\)
循環小数:\(0.\dot{4}\dot{2}\)
無理数:\(\sqrt{2}\)
- ルートが外せない数は無理数
- 小数点以下がない数は整数
- 小数点以下が循環しているかどうかで有限小数と循環小数を分ける
例題 (計算する)
循環小数\(0.\dot{5},0.\dot{1}23\dot{4}\)を分数で表せ。
解答
\(x=0.\dot{5}\)とおくと、\(10x=5.\dot{5}\)なので
\(10x-x=5\)
\(9x=5\)
\(x=\frac{5}{9}\)
\(x=0.\dot{1}23\dot{4}\) とおくと、\(10000x=1234.\dot{1}23\dot{4}\)なので
\(10000x-x=1234\)
\(9999x=1234\)
\(x=\frac{1234}{9999}\)
このように循環小数を分数で表すのは決まったやり方があります。この単元ではこれくらいしか計算をしないのでやり方を覚えてしまいましょう。
苦手克服法
よくある悩み
この実数という単元では他の単元と違い、計算をほとんどしません。数学っぽくないと感じる方も多いでしょう。
その代わりに用語が出てきて、それを理解する必要があります。暗記や理解が増えるため、復習しないとテストで「あれ、なんだったっけ?」となりかねません。
そんなあなたは
実数という数学でありながら数学らしくない単元では、いつものように公式を覚えて計算するのではなく、文章を読んでその用語や性質を理解する必要があります。いつもと違ってやりづらいという人は、この単元は数学ではなく、別の教科だと思って取り組むといいと思います。
おすすめは練習問題を解くことで、自分の理解を確かめる事です。
実数という単元
数学の他の単元の勉強と違って、この「実数」という単元では公式を身に付けて練習問題を解く、というよりも教科書を読んで内容を理解することの方が大切になります。もちろん、他の単元でも教科書の内容を理解することは大切です。
しかし、この単元で出てくる用語や性質はこの後の内容でも出てくるので、しっかり理解できていないと問題の意味が分からない、なんてことも起きてしまいます。これはもったいないですよね。
だからこそ、そうならない為にも、大切な用語と性質をしっかり理解するようにしましょう。