英語の仮定法は大きく「仮定法過去」と「仮定法過去完了」に分けられますが、もちろんこの2つだけではありません。今回は仮定法過去や仮定法過去完了以外の表現の仕方について紹介していきたいと思います。
あすなろには、毎日たくさんのお悩みやご質問が寄せられます。
この記事は英語の教科書に基づいて高校生のつまずきやすい単元の解説を行っています。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
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仮定法未来
仮定法過去と仮定法過去完了はそれぞれ現在と過去についての文章です。なのでこの2つだけでは未来のことを表すことができません。未来のことを仮定法を使って表す場合は「仮定法未来」を使って表します。仮定法未来は起こる可能性が低いことについて、仮定して話す場合に使います。仮定法未来でよく使う表現には、「were to」を使う表現と「should」を使う表現があります。
「were to」と使った表現
未来のことを仮定法を使って表現するためには「were to」を使った表現があります。「were to」は「be動詞 + to」の過去形ですが主語が何のときでも「were to」を使うのが正式な英語の表現になります。しかし、現在では「was to」を使う場合もあるので頭に入れておきましょう。
例
If I were to win the lottery, I would buy a new house.
(もし宝くじに当たったら、新しい家を買います。)
「should」を使った表現
「should」も未来を表す仮定法で使うことがあります。shouldはIfがついている節に使います。
例
If any problem should occur, the manager will take care of it.
(もし万が一問題が起きたら、責任者が対応する予定です。)
仮定法現在
仮定法過去、仮定法過去完了、仮定法未来のほかにも「仮定法現在」があります。仮定法現在は比較的現実に近いことや起きるかもしれないことを表すときに使います。仮定法現在は現在や過去だけでなく未来のことでも使うことができる表現です。
例
If you meet her, can you give this book to her?
(もし彼女に会うなら、この本を渡してくれませんか。)
この英文では「彼女」にまったく会う気がないわけではなく、会う可能性があるかもしれないと予想して聞いています。このような場合は過去形にはせず、現在形で表現します。
IfやIf節が省略された仮定法
仮定法にはIfやIf節を省略した表現があります。どのような場合に省略されるのかを紹介します。
If節を省略した仮定法
「If I were you / If I had been you」や彼だったら、彼女だったらという仮定法はIf節の部分を省略して仮定法を表現することができます。あえて言わなくても伝わるので省略することがあります。
例
I would have studied harder.
(私だったらもっと勉強しただろう。)
Ifを省略した仮定法
If節をすべて省略するのではなくIfのみを省略して倒置法を使う表現もあります。Ifを省略した場合は、動詞や助動詞を文の最初に持ってきます。
例
Were I you, I would have studied harder.
(私だったらもっと勉強しただろう。)
例題
次の日本語に合うように( )の中の単語を並び替えて英文を作りなさい。
①もし戦争が起きたら、あなたはどうしますか。
(you, if, were, what, break, to, war, do, out, should)
②もし水がなかったら、植物は育つことはできない。
(could, for, were, not, it, plant, grow, no, water)
解答
①
If war were to break out, what should you do?
仮定法未来ではIf節にwere toを使います。
②
Were it not for water, no planet could grow.
倒置を行なうことでIfを省略することができます。
まとめ
今回は仮定法過去と仮定法過去完了以外の仮定法について紹介しました。
仮定法未来
If節に「were to」や「should」を使い、起こる可能性の低い未来について仮定して表現します。
仮定法現在
比較的現実に近いことや起きるかもしれないことを表すときに使います。
また、仮定法にはIfやIf節を省略した表現もあります。
If節を省略した仮定法
「If I were you / If I had been you」など、あえて言わなくても伝わる場合はIf節を省略することがあります。
Ifを省略した仮定法
Ifを省略した場合は、動詞や助動詞を文の最初に持ってきます。