微分法(導関数の応用)|高校数学のつまずきやすい単元を徹底解説!

数学が苦手なお子さんは中学、高校とも学年が上がっていくごとに増えていきますよね。今回は高校3年生の数学IIIの微分法ついて書いていきたいと思います。数学IIで学んだ「微分の考え」の内容を発展させた内容になっています。理系の入試には必ず出てくる内容なのでしっかりと点を取れるようにしていきたいですね。


あすなろには、毎日たくさんのお悩みやご質問が寄せられます。
この記事は数学の教科書に基づいて高校生のつまずきやすい単元の解説を行っています。

文部科学省 学習指導要領「生きる力」

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm

導関数

ここではまず数学Ⅱで学んだ微分が可能な条件から、関数の和・差・積・商、合成関数や三角関数、指数関数などのさまざまな関数の導関数が出てきます。

三角関数・指数関数・対数関数の導関数

この数Ⅲの微分では三角関数や指数関数、対数関数の導関数も求めなくてはいけません。これらの関数も今までやってきたようにグラフを描いたり、増減表を書いたり、これらの関数を使った合成関数を微分したりしていくので、微分の公式が使えないとどの問題も解くことはできません。公式はしっかりと覚えて、練習問題をこなして公式を身につけうるようにしましょう。

三角関数

まずは三角関数の微分の公式です。

\(
\displaystyle (sin x)’ = cos x \\
(cos x)’ = -sin x \\
\displaystyle (tan x)’ = \frac{1}{cos^2 x}
\)

三角関数の導関数で覚えなくてはならないのが\(sin\)と\(cos\)です。\(tan\)も覚えておいて悪いことはないですが、\(sin\)と\(cos\)さえ覚えていれば、商の導関数の公式を使って求めることができます。

指数関数

指数関数の導関数は以下のような公式で計算することができます。

\(
\displaystyle (e^x)’ = e^x \\
(a^x)’ = a^x log_e a
\)

指数関数の導関数は自然対数\(e\)の\(x\)乗の場合はとても簡単な形になります。上の公式の下の方さえ覚えておけば上の式もすぐに導出できますが、問題でよく出てくるのは自然対数を使った方なので両方とも使えるようになっておいた方がいいと思います。また、指数関数はもう1パターンあり、以下の公式で表すことができます。

\(
( x^x )’ = ( log_e x +1 ) x^x
\)

この公式は複雑に見えますが、\( (a^x)’ = a^x log_e a \)と合成関数の微分の公式を使うと求めることができます。出題頻度もあまり高くないですが、問題で出てきたときに導出できるようにしておくようにしておきましょう。

対数関数

一番基本的な対数\( log_e x \)の微分、一般の対数\( log_a x\)の微分は以下のような公式で表すことができます。

\(
\displaystyle (log_e x)’ = \frac{1}{x} \\
\displaystyle (log_a x)’ = \frac{1}{xlog_e a} \\
\displaystyle (log_e |f(x)|)’ = \frac{f'(x)}{f(x)}
\)

こで、対数の真数は正である必要があるので、上の公式の\(x\)の定義域は\(x>0\)であることに注意しましょう。また、\(log_e|f(x)|\)の微分公式は\(log_e x\)の微分の公式と合成関数の公式を使って導出することができます。

導関数の応用

この単元で学習した導関数を応用した定理を紹介したいと思います。これらの定理は、導関数を応用した定理でありながら、多くの問題で役に立つ検算テクニックになるので身につけておくと役に立ちます。

ロピタルの定理

便利な定理として紹介するのがロピタルの定理です。ロピタルの定理とは、\(x\)の定義域は\(x \to \)の極限が不定形であり、適当な条件を満たせば、

\(
\displaystyle \lim_{x \to a} \frac{f(x)}{g(x)} = \lim_{x \to a} \frac{f'(x)}{g'(x)}
\)

という等式が成り立つという定理です。ここで不定形とは、\(\displaystyle \lim_{x \to a} \frac{f(x)}{g(x)}\)が\( \displaystyle \frac{0}{0}\)または\( \displaystyle \frac{\infty}{\infty}\)になる場合のことです。ここで、ロピタルの定理の「適当な条件」とは、\(f(x) , g(x)\)を微分するので\(x=a\)を含む区間で連続である必要があることが条件のひとつです。さらにその区間の\( x \neq a\)で微分可能で、かつ分母は\(g'(x) \neq 0 \)である必要があります。この条件を満たしたとき、\(\displaystyle \lim_{x \to a} \frac{f'(x)}{g'(x)}\)が値として存在し、ロピタルの定理を使うことができます。このロピタルの定理を使うと求めづらい極限をあっさりと求めることができますが、しっかりと条件を満たしていることを示さなければならなかったり、証明が高校の範囲を超えるなどの理由があり、大学入試では裏技扱いとなります。なので記述問題の解答欄に書くわけではありませんが、検算やマーク試験などでは使うことができます。

平均値の定理

平均値の定理とは、

「関数\(f(x)\)が\(a \le x \le b\)で連続かつ\(a<x<b\)で微分可能であるとき、
\( \displaystyle \frac{f(b) – f(a)}{b-a} = f'(c) \)かつ\(a<c<b\)を満たす実数\(c\)が少なくとも1つ存在する。」

という定理です。この定理を言い換えると関数が連続な区間の両端をつないだ直線の傾きと、傾きが同じ点が区間内に必ずあるという定理です。この平均値の定理は不等式の証明や極限(はさみうち)、\(f(n+1) – f(n)\)のような差分の形、\(f'(x)\)が単調増加または単調減少のときに使うことがあります。

例題

微分法についての例題をいくつか紹介していきます。

例題 (導関数)

次の関数を微分せよ。

①\(y=\sqrt{cosx}\)
②\(y=x^2 e^x\)
③\(y=log(4x+5)\)

解答


\( u=cos x \)とすると、\( \displaystyle \frac{du}{dx} = -sinx , \frac{dy}{du}=\frac{1}{2}u^{- \frac{1}{2}}\)なので、
\( \displaystyle \frac{dy}{dx}=\frac{dy}{du} \cdot \frac{du}{dx} = \frac{1}{2}u^{- \frac{1}{2}} \cdot (-sin x) =\frac{-sin x}{2 \sqrt{cos x}} \)

\( y’ = (x^2)’e^x + x^2(e^x)’=2xe^x + x^2 e^x =xe^x (x+2) \)

\( t=4x+5 \)とすると、\( \displaystyle \frac{dt}{dx} = 4 , \frac{dy}{dt}=\frac{1}{t} \)なので、

\( \displaystyle \frac{dy}{dx} = \frac{dy}{dt} \cdot \frac{dt}{dx} = \frac{1}{t} \cdot 4 = \frac{4}{4x+3} \)

例題 (平均値の定理)

\(e \le p < q\)のとき、不等式\( \displaystyle log(log q) – log(log p) < \frac{q-p}{e} \)を証明せよ。(\(e\)は自然対数の底とする)

解答

\(f(x)=log(log x)\)とおくと、\( \displaystyle \frac{f(q)-f(p)}{q-p} < \frac{1}{e} \)を示せばよい。
ここで、\(f(x)\)は\(e \le p < q\)なので、\(p \le x \le q\)で連続かつ\(p < x < q\)で微分可能なので、平均値の定理より、

\( \displaystyle \frac{f(q)-f(p)}{q-p} = f'(c) \)となる\(c\)が\(p\)と\(q\)の間に存在する。

ここで、\( \displaystyle f'( x ) = \frac{1}{x log x} \)なので\(g(x)=xlog x\) について考える。\( g'(x)=1+log x \)より\(x \ge e\)で\(g(x)\)は単調増加である。
よって\(e < c\)より、

\(
\displaystyle g(e) < g(c) \\
c log c > e \\
\displaystyle \frac{f(q) – f(p)}{q-p} = f'(c) = \frac{1}{c log c} < \frac{1}{e}
\)

よって、\( \displaystyle \frac{f(q) – f(p)}{q-p} < \frac{1}{e} \)から、\( \displaystyle log(log q) – log(log p) < \frac{q-p}{e} \)

導関数の応用攻略法

三角関数や指数関数、対数関数も微分すること自体は公式に従って計算するだけなのでそんなに難しくありません。公式の証明・成り立ちを理解し、計算ミスに気を付けながら公式通りに計算するだけです。特に三角関数などの合成関数微分を計算するときは計算ミスに気を付けましょう。余裕がある人はロピタルの定理や平均値の定理なども見ておきましょう。平均値の定理は問題によっては必要になることもあります。ロピタルの定理は条件がややこしいですが、値を素早く計算できるので検算などに使うことができ、便利な定理です。覚えておいて損はないですよ。

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