I(私)やyou(あなた)、she(彼女)やthey(彼ら)、it(それ)などの代名詞はどれを使ったらいいか分かりやすく、自分で文を作るときも使いやすいと思います。しかし、不定代名詞と呼ばれるone、another、otherなどはどうでしょうか。youやitなどに比べて分かりづらいと思います。今回はこの不定冠詞について紹介していきたいと思います。
あすなろには、毎日たくさんのお悩みやご質問が寄せられます。
この記事は英語の教科書に基づいて高校生のつまずきやすい単元の解説を行っています。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
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不定冠詞(one, another, other, the other)
不定冠詞は日本語にはない概念で、「a」や「the」といった冠詞の使い方をベースにしているため難しいように感じると思います。まずはそれぞれの意味を見ていきましょう。
「one」
oneは代名詞として使う場合、「それ」の意味を持ちます。itと同じような意味ですが、itはモノやコト、ヒトを特定するのに対して、oneは不特定のモノやコト、ヒトを指します。
「another」
anotherは不特定のモノからランダムに1つを選ぶイメージを持ちます。日本語では「別の」や「もう1つの」のように訳される場合が多いです。
「other」
otherはanotherがいくつか集まっているイメージで不特定のモノから2つ以上を選ぶイメージです。otherは所有格としてのみ使われます。
「the other」
theはものごとを特定する冠詞なのでthe otherは話し手(書き手)が多数の選択肢の中の特定の1つを選んでいるイメージです。また、最後にsをつけて「the others」とすると、多数の選択肢の中の特定できる2つ以上を選んでいるイメージです。
不定冠詞の使い分け
紹介した不定代名詞で一番使い分けに困るのが「another」と「the other」だと思います。
まず、複数の中の1つを最初に指すときはoneを使います。anotherは残りの複数のどれか1つを指すときに使います。なのでone以外のひとつひとつはanotherです。
これに対してthe otherはone以外の残りのうち特定できる1つを指します。分かりやすいのが「最後の1つ」です。最後の1つは特定できるものなのでthe otherを使って表します。
これと同じように考えるとthe othersはone以外の残りのうち特定できる2つ以上を指します。分かりやすいのが「残りのすべて」です。
例えば4つのモノがあり、1つずつ取り出していく場合を考えてみましょう。1つ目のモノはoneです。そして2つ目のモノを1つ選ぶときはanotherで、3つ目のモノを1つ選ぶときもanotherです。4つ目は最後のひとつなのでthe otherを使います。
このとき最後が1つではなく、2つ以上の「残りすべて」を表すときはthe othersを使います。
例題
次の日本語に合うように( )の中に適切な語を入れなさい。
①私は猫を2匹飼っています。1匹は白色、もう1匹は黒色です。
I have two cats. One is white, ( ) is black.
②水をもう1杯いただけますか。
Could you give me ( ) glass of water?
解答
①
the other
2つのうちのもう一方なので特定できる。
②
another
「もう1杯」は「別の1杯」と考えられる。
まとめ
今回は不定代名詞のone、another、the otherについて、それぞれの意味と使い分けを解説しました。
「one」
「それ」の意味
itはモノやコト、ヒトを特定するのに対して、oneは不特定のモノやコト、ヒトを指す
複数の中の1つ目を指すときに使う
「another」
不特定のモノからランダムに1つ
one以外の不特定のひとつ
「the other」
多数の選択肢の中の特定の1つ
複数あった中の最後のひとつ
複数形はthe others
使い分けができるようにしっかりと理解しましょう。