こんにちは、あすなろスタッフのカワイです。
みなさんは普段、学校の壁に掛かっている時計や、腕時計などから時間を確認することができますね。日本中どこにいても時計に示されている時間は同じだと思います。それについて疑ったことも無いと思います。
しかし、一旦外国へ行くと、その時計はそのまま使うことができません。何故なら、「時差」というものがあるからです。
今回は、この時差について解説をしていきたいと思います!
あすなろには、毎日たくさんのお悩みやご質問が寄せられます。
この記事は中学社会(地理)の教科書や学習指導要領に基づいて、中学生の苦手にしやすい単元の解説を行っています。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
=もくじ=
時差ってなに?
時差とは、地球上の位置によって生じる時間の差のことです。全く同じ瞬間であっても、地球のどこにいるかで、示される時間は変わります。
上の図のように、地球は常に、「一方は光が当たっている、もう一方は光が当たっていない」という状態になっています。どの国であっても、太陽が真上(に近い位置)に来た時間を12時と定めたいので、その場所によって示す時間が異なるということです。
時差のメカニズム
時差は上述の通り、太陽の位置によってそれぞれの国で定めている時間が異なることにより生じていますが、具体的に、「1時間」の時差は、どれくらいの位置の違いで生じるのでしょうか?
まず、1日は24時間あります。地球は球に近い形状をしているので、一回転すると360度変わりますね。
従って、角度/時間をすると一時間当たりの角度が分かります。計算してみると、
360/24=15
となり、1時間に15度動くことが分かります。都合の良いことに、経度は角度と同様に360等分した値によってあらわされているので、経度が15度移動した位置が一時間の差となります。
世界の標準時はイギリスの時間できまっている
時差があるとはいえ、各国の時間とは別に国際的な標準時というものがあります。
それは、経度0度を通るイギリスの時間です。経度0がグリニッジという場所を基準としていることから、
「グリニッジ標準時」とよばれます。
日本の標準時はどう決まっているの?
日本の場合、兵庫県明石市を通る「東経135度線」を時刻を決める基準としています。
この「東経135度」はよく出てくるので、よく覚えておいて下さい!
東京を通る東経140度などにしていないか?と思うかもしれませんが、
15で割れる経度を基準にしたほうが都合がいいからだと思われます。
複数の時間のある国がある??
日本は縦に長い国なので、日本のどこにいても時間の感覚は変わらないと思いますが、
例えばロシアなどは横に非常に長く、ヨーロッパよりのモスクワでは真上に太陽があるのに、日本の北にあるウラジオストクでは日が沈んでいる、という国です。この国で1つの時間しかないと、頭が混乱してしまうと思います。
そのようなことがないように、国土が広い国では、その位置によって複数の標準時が採用されていることが多いです。
今紹介したロシアではなんと11つの標準時があり、他にもアメリカでは6つ、オーストラリア本土では3つなど、ここで上げた以外でも様々な国で複数の標準時が用いられています。
同じ国の中で異なる時間を表している場所ある感覚は、日本に住んでいるとあまり理解しがたいですよね。
時差を求めてみよう!
例.東京(日本)とロンドン(イギリス)の時差
では、実際に時差を求めてみましょう。
時差を求める際は、2つの場所の経度を知ることが出来れば解くことが出来ます。
まず、東京の場合、日本の標準時に属しますので、その基準となっている経度「東経135度」を基準とします。
次に、ロンドンの場合は、イギリスの標準時に属しますので、どこか調べてみると、
そもそもイギリスのロンドンが経度の基準なので、「0度」となっています。
時差を求めるときの計算式は、「(経度)-(経度)/15」となるので、
(135-0)/15=9
となり、答えは9時間となります!
さて、東京とロンドンでは9時間の差があることが分かりましたが、どちらの方が先の時間を示しているでしょうか?
時間は東→西に進む!
この答えは太陽と地球の関係を見れば一瞬で理解できます!
というのも、太陽は東から昇って、西に沈みますね。従って、太陽は照らす位置を西に進んでいきます。
日本とイギリスを比べると、日本の方が東側にあるので、日本の方が9時間早い時間を示すわけです。
例えば、日本が10月1日午前6時のとき、イギリスは9月30日午後9時となります。
ここで、頭の回る人は気づくかもしれません。
「東に行き続ければどんどん早い時間、日にちへ進んでいってしまうのではないか…?」
この話には問題があります。確かに、東へ行けば早い時間を示した場所に行くことが出来ます。しかしながら、仮に日本から東に一瞬で1周して日本に戻ってきたとしても、日付が変わっているなんてことは当然ですが起こりません。
これはどうしたものか…と思ったところ、昔の賢い人は考えました。
「日付が変わる線を設ければ、この問題を解決することが出来るのでは?」
という訳で、そのパラドックスを防ぐために、「日付変更線」というものがあります。
その経度は基本180度線上を通り、同じ国内で日付が違うということが発生しないように、細かい帳尻合わせがされています。グアムなど本土と離れている島については跨いでしまっている場合もあります。
練習問題
ロサンゼルス(西経120度)が3月3日午後1時のとき、東京(東経135度)は何月何日何時でしょうか。
答え
135-(-120)/15=17
2都市間の時差:17時間
→3月4日午前6時
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