こんにちは、家庭教師のあすなろスタッフのカワイです!
今回は「逆数」について、勉強したけどよく分からない…という人が理解できるように、乗法と除法の関係から逆数の意味まで詳しく解説していきます。これを最後まで理解してもらえたら、負の数を含む分数÷分数の計算が出来る様になると思います!
では、今回も頑張っていきましょう!
あすなろには、毎日たくさんのお悩みやご質問が寄せられます。
この記事は数学の教科書の採択を参考に中学校1年生のつまずきやすい単元の解説を行っています。
参照元:文部科学省 学習指導要領「生きる力」
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乗法と除法の関係を確認しよう
逆数について知るには、乗法と除法がどのように関わっているのかを改めて確認する必要があります。ということで、まずは復習として分数÷分数の計算をやってみましょう。
分数÷分数の計算は小学6年の算数で勉強したと思うので、解けると思いますが、覚えていない人もここで思い出しましょう!
\(\frac{4}{9}÷\frac{2}{3}\)を計算してみる
では、\(\frac{4}{9}÷\frac{2}{3}\)を計算してみましょう。
まず、後ろの\(÷\frac{2}{3}\)が計算しにくいので、\(×\frac{3}{2}\)の形にしますね。
次に、この式を一つの分数としてまとめると、\(\frac{4×3}{9×2}\)となります。
これを約分すると、分子の4が2になり、分母の2は消去されます。一方、分子の3は消去され、分母の9は3になります。
従って、答えは\(\frac{2}{3}\)となります。
というのが、分数÷分数のやり方です。これで答えはあっているのですが、ん?となるところありますよね。はじめの\(÷\frac{2}{3}\)→\(×\frac{3}{2}\)となるところです。
確かに小学校でそうするように学んでいるだろうと思いますが、これってどうしてこういう式変形していいんだろう…?と思いませんか?
なので、この理由を知るために、詳しく式変形をしてみようと思います。
÷から×への変形できるワケを調べてみる
\(\frac{4}{9}÷\frac{2}{3}\)は割り算ですから、分数の形で表すことが出来ます。すると、
\(\frac{\frac{4}{9}}{\frac{2}{3}}\)
という形になります。
次に、この形では計算することが難しいので、分母である」\(\frac{2}{3}\)を打ち消せる(\(1\)にできる)値を分子・分母の両方に掛けていきます。この値というのは、
\(\frac{2}{3}×□=1\)
で表すことが出来ますね。計算すると、\(□\)はすなわち\(\frac{3}{2}\)となります。この値というのは、消したい数の分子と分母をひっくり返した値となっています。
さて、分子・分母に\(\frac{3}{2}\)をそれぞれ掛けると、
\(\frac{\frac{4}{9}×\frac{3}{2}}{\frac{2}{3}×\frac{3}{2}}\)
となり、確かに分母部分は\(1\)となります。
これを計算すると、
\(\frac{4}{9}×\frac{3}{2}\)
となりました。割り算の計算を進めていたつもりが乗法の計算にすり替わってしまいました。
この式を最初の式\(\frac{4}{9}÷\frac{2}{3}\)と比べると、確かに÷が×に代わって、分母と分子がひっくり返っています。
以上より、\(÷〇\)の部分は計算過程で分母と分子をひっくり返した値を掛けた形に出来ると分かりました。
結局、逆数ってなに?
さて、\(\frac{2}{3}\)に\(\frac{3}{2}\)を掛けると\(1\)となるというような2数の関係があるとき、一方の数を他方の数の逆数といいます。
一般的に、〇という数字と△という数字を掛けて1だった場合、〇は△にとって逆数であり、△は〇にとって逆数だということです。
逆数という言葉を用いて上で説明した式変形を表現すると、除法を乗法にしたいときは、その値を逆数にして掛けてあげればいいということです。
負の数でもできるの?
ここからが本題ですが、この「逆数に直して掛ける」という動作は負の数を含む割り算に対しても用いることが出来ます。
これを証明するために、さきほどの式を少し変えて、\(\frac{4}{9}÷-\frac{2}{3}\)という式で考えてみたいと思います。
この中で\(÷-\frac{2}{3}\)の部分を\(×\)にしたいので、\(-\frac{2}{3}\)の逆数を考えると、
\(-\frac{2}{3}×□=1\)より、逆数は\(□=-\frac{3}{2}\)となります。
一方、式変形をしたときに、この逆数で掛ける式になればいいのですが、
\(\frac{4}{9}÷(-\frac{2}{3})\)
\(=\frac{\frac{4}{9}}{-\frac{2}{3}}\)
\(=\frac{\frac{4}{9}×(-\frac{3}{2})}{-\frac{2}{3}×(-\frac{3}{2})}\)
\(=\frac{4}{9}×(-\frac{3}{2})\)
となり、式変形によって、「元の数の逆数を掛ける」という形に変わっていることが確認できます。
今回のまとめ
ここまで説明してきたことをまとめていきます。
÷〇を×△に変えるには?
÷〇の部分の逆数△を求め、÷〇の代わりに△で掛ける形にする。
例.\(1÷\frac{3}{2}=1×\frac{2}{3}\)
逆数とは?
元々の値を\(Or\)としたとき、この値の逆数\(Iv\)は、
\(Or×Iv=1\)、\(Iv=\frac{1}{Or}\)
と表される。
- \(\frac{2}{3}\)の逆数は\(\frac{3}{2}\)
- \(2\)の逆数は\(\frac{1}{2}\)
- \(\frac{1}{8}\)の逆数は\(8\)
\(0\)についてのみ、逆数はない。
負の数を含む場合の割り算の場合、掛けるに変更できるの?
逆数は負の場合にも適用されるため、同じように解くことが出来る。
例題
\(4÷(-\frac{8}{3})\)
方針:\(÷-\frac{8}{3}\)の部分を\(×〇\)の形にして、計算する。
解答:\(-\frac{8}{3}\)の逆数は、\(-\frac{3}{8}\)である。従って、
\(4÷(-\frac{8}{3})=4×(-\frac{3}{8})\)
\(=-\frac{3×4}{8}\)
となる。約分より、
\(=-\frac{3}{2}\)
逆数は、まとめで示した式から導くことが出来ます。分数の場合は、分母と分子をひっくり返した形にした値となります。元の数と逆数の符号は同じになります。
\(-\frac{2}{5}÷(-4)\)
方針:\(÷-4\)を式変形により\(×〇\)の形にして計算する。
解答:\(-4\)の逆数を\(〇\)とすると、
\(-4×〇=1\)であり、\(〇=-\frac{1}{4}\)
である。従って、
\(-\frac{2}{5}÷(-4)=-\frac{2}{5}×(-\frac{1}{4})=\frac{2×1}{5×4}\)
\(=\frac{1}{10}\)
やってみよう!
次の問題を解いてみよう。
- \(8÷\frac{4}{9}\)
- \(\frac{12}{25}÷\frac{6}{5}\)
こたえ
- \(18\)
【解説】\(÷\frac{4}{9}\)を逆数にして乗法の形にする。\(8×\frac{9}{4}=2×9=18\) - \(\frac{2}{5}\)
【解説】\(÷\frac{6}{5}\)を逆数にして乗法の形にする。\(\frac{12}{25}×\frac{5}{6}=\frac{2}{5}\)
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