こんにちは、あすなろスタッフのカワイです。
今回は因数分解の公式を用いて、\(ax^{2}+bx+c\)の形の問題が解けるようになるように解説していきます!
「因数分解ってなに?」という方は、別の記事で説明していますので、よろしければそちらを見てみてください!
関連記事はこちら:【中3数学】多項式を式の積の形にする「因数分解」のやり方を解説します!(その1)
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この記事は数学の教科書に基づいて中学校3年生のつまずきやすい単元の解説を行っています。
文部科学省 学習指導要領「生きる力」
因数分解の公式
今回用いる因数分解の公式はこの4つです。
- \(x^{2}+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)\)
- \(x^{2}+2ax+a^{2}=(x+a)^{2}\)
- \(x^{2}-2ax+a^{2}=(x-a)^{2}\)
- \(x^{2}-a^{2}=(x+a)(x-a)\)
これらを用いて問題を解いていきます。
例1.\(x^{2}-4x-12\)
この式は一番上の公式で解くことが出来そうです。
上式と照らし合わせてみると、
$$x^{2}+(a+b)x+ab$$
$$x^{2}-4x-12$$
となり、ここから\(a+b=-4\)、\(ab=-12\)となる\(a,b\)の組み合わせを見つければいいことが分かります。では、表にしてみてみましょう。
\(a\) | \(b\) | \(a+b\) |
\(1\) | \(-12\) | \(-11\) |
\(2\) | \(-6\) | \(-4\) |
\(3\) | \(-4\) | \(-1\) |
\(4\) | \(-3\) | \(1\) |
\(6\) | \(-2\) | \(4\) |
\(12\) | \(-1\) | \(11\) |
\(a\)と\(b\)の組み合わせは、\(ab=-12\)となる組み合わせから決めています。なぜ\(a+b=-4\)から先に組み合わせを決めないのかというと、足し算では無限の組み合わせが考えられてしまうからです。
一方で、積分の方は有限なので、積分の答えに合致する組み合わせから足し算を探します。
今回の場合、\(a=2,b=-6\)のときに両方の式を満たすので、これを\((x+a)(x+b)\)に代入すると、因数分解の形になります。従って、
$$x^{2}-4x-12=(x+2)(x-6)$$
となります。
例2.\(x^{2}-6x+9\)
この問題も例1と同様のアプローチで解いていきます!
一番上の式
$$x^{2}+(a+b)x+ab$$
と、今回の式
$$x^{2}-6x+9$$
より、
$$a+b=-6$$
$$ab=9$$
が出てきます。この\(a,b\)が求まれば因数分解することができるので、考えられる組み合わせを表で考えていきます。
\(a\) | \(b\) | \(a+b\) |
\(1\) | \(9\) | \(10\) |
\(3\) | \(3\) | \(6\) |
\(-1\) | \(-9\) | \(-10\) |
\(-3\) | \(-3\) | \(-6\) |
式と表より\(a=-3\)、\(b=-3\)となります。これを式で表すと、
$$x^{2}-6x+9=(x-3)(x-3)$$
$$=(x-3)^{2}$$
となります。これは実は公式で上から3つ目で解ける問題でもあります!
例3.\(x^{2}-25\)
\(ax\)の項が抜けている式の場合も一番上の公式でアプローチすることが出来ます。
\(x^{2}+(a+b)x+ab\)と照らし合わせると、
$$a+b=0$$
$$ab=-25$$
となります。\(a+b=0\)ということは、すなわち\(b=-a\)となる値をとればいいことが分かります。一方、\(ab=-25\)は\(5×-5=-25\)となるので、\(a=5\)、\(b=-5\)とすると、両方の式に適します。
従って、
$$x^{2}-25=(x-5)(x+5)$$
となります。
この式は一番下の公式から解くことが出来ます。この問題のように、\(ax\)の項がなく、\(x^2\)でない項の符号が-であれば適応することが可能です。
まとめ
因数分解は基本的に一番上の式を用いて考えることによって解くことが出来ます。慣れてきたら、式を見るだけでどのような因数分解が出来るのかわかるようになってきます。
様々な問題を解いて、理解を深めてみてくださいね!
やってみよう!
この多項式を因数分解してみよう
- \(x^{2}+6x+5\)
- \(y^{2}-7x+10\)
- \(x^{2}-49\)
答え
- \((x+1)(x+5)\)
【解説】因数分解後を\((x+a)(x+b)\)(ただし\(a≦b\))とする。\(a+b=6\)かつ\(ab=5\)となるのは\(a=1, b=5\)の時なので、答えは\((x+1)(x+5)\)となる。 - \((y-5)(y-2)\)
【解説】因数分解後を\((x+a)(x+b)\)(ただし\(a≦b\))とする。\(a+b=-7\)かつ\(ab=10\)となるのは\(a=-5, b=-2\)の時なので、答えは\((x-5)(x-2)\)となる。 - \((x-7)(x+7)\)
【解説】因数分解後を\((x+a)(x+b)\)(ただし\(a≦b\))とする。\(a+b=0\)かつ\(ab=-49\)となるのは\(a=-7, b=7\)の時なので、答えは\((x-7)(x+7)\)となる。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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